『詩篇 えっちゃん』山下徹著 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

重い一冊が届いていました。

『詩篇 えっちゃん』(山下徹著・2019年7月19日・芦屋芸術刊)。


「えっちゃん」とは著者の奥様だった人。わたしもよく知った人だったが、5年前にお亡くなりになった。
最初に出会ったのはもう30年ほども昔になるだろう、わたしが所属していた将棋会にご夫婦で入会してこられてだった。

その後、米屋をしていたわたしの店からお米を買って下さるようになり、後にご主人の徹さんが保険の代理店になられたときには、うちがその顧客になったりと。
思えば長いお付き合い。
徹さんは古くからの詩人でもあり、これまでに何冊かの詩集があるのだが、わたしには難解な詩を書かれる人である。
拙詩集『コーヒーカップの耳』をお贈りしたときには、「うん、けっこう行けてると思うよ」との評を下さった詩人でもある。
その時彼は、すでに「第四回銀河詩手帖正賞」を受けていた詩人だった。
それが今回の詩集では、ハードなものの中に、少々甘いものがあるのは、やむを得ないのかも知れない。
いや、それでいいのだろう。この詩集は他人に読ませるのが第一の目的ではないのだ。
だって、目次ページの前の巻頭には次のような言葉が置かれているのだから。

  亡き

  悦子と

  ジャックに

  この小さな言葉の花たばを

  ささげる


そして、「あとがき」。
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もうこれで、作品は紹介しなくてもいいのでは?という気もするが、
一篇だけ紹介しましょう。

「ミニバラ」です。
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