「新進の青年文学者」 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

昨日の大古本市で「街の草」さんの台に見つけて入手したこの冊子。

表紙絵は、歌人、阪口保さんによるもの。
「草の葉」(第36号・昭和31年発行)という短歌文学誌ですが、わたしは全く知りませんでした。
表紙裏表紙含めてわずか16ページの薄いもの。
これに、わが宮崎修二朗翁が散文を寄稿しておられるのです。題して「ノイローゼと谷崎先生」。
読ませていただいたが、わたしが知る宮崎翁の文章とはちょっと違っていました。翁34歳のときのもの。やはり若書きというのでしょうか。
中で、ちょっとおかしかったのは次の箇所。
《近所の六十才近い、おばあさんが…》というもの。
六十才近いということはまだ五十才代ですよねえ。
それが「おばあさん」ですか!昭和31年ではそういうことだったんですね。
今、宮崎翁は97歳です。なんと呼ぶべきだろう?

巻末ページの「編集手帳」には宮崎翁のことを紹介してつぎのような文が。
《新進の青年文学者『文学の旅・兵庫県』の著者、宮崎修二朗氏の…》
翁の処女出版本が出た直後だったんですね。