「文章指導」 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

今日の神戸新聞夕刊の、高橋順子さんの随想。

「文章指導」と題して書かれています。
彼女のご主人、作家・車谷長吉さんから受けた文章についての指導。
《私は現代詩の作者だが、詩人はえてして文章が書けない。あっさりして物足りない、と言われたりする。》
そこで車谷の指導が入る。
《念をおすように書くこと。何度くりかえしても、ちょっとずつちがっていれば、そのたびに前に進むのだと。》
そして、
《エッセイの登場人物には実名をつかえ、と言った。(略)そうすると、どんなにしまりのない文章でも緊張感が出てくるのだった。が、これは危険な方法だった。彼は名誉棄損で提訴されることにもなった。》
そうでしょうね、実名は危険でしょうね。
そしてもう一つ。
《忘れられないのは、自分の作品のよしあしを判断するには、書き上げたときに涙が出てくるかどうかだ、と言ったこと。どんなに心を集めて書いていたことだろう。》

勉強になります。
わたしがこれまで書いてきたもので、涙が出る作品はいくつぐらいあるだろうか?
そういえば最近、そんな作品、書けてないなあ。