
この表紙絵いいですねえ。
どなたが描かれた?と思ったら、由良さんでした。彼女はいい抽象画を描く人でもあります。
その由良さんの詩。
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「やわらかいもの」です。
わたしは詩を読み取る力がないものですから、何度も読ませていただいてやっと朧気にわかりました。
彼女はもう一篇「雨恋」という詩を載せておられます。
怖いほどに朱い空
誰がみまかったのか
禍々しい色彩に
躊躇する新入りの魂
斑雲の合間よりふりかえる
空き家の庭を縦断するドクダミ
照り梅雨も介せず
着々と増殖中
薬の薬効は
消炎 利尿 腫物に
退屈な日和に臭気のひと嗅ぎ
茶を好む人も
そうこうして
西空は蚊帳のとばりに
待って
待って
どなたさまも
逝き土産にお持ちになって
十薬の花束
雨乞いに効きましょうか
この詩はわたしでも少しはわかります。
次は梅村光明さんの「石のクロニクル」の前半部分。
←クリック。詩を紹介するときには本来全篇を上げるべきなのですが、お許しを。
腹の底からしぼり出すような力のこもった詩ですね。
梅村さんはわたしより少し下の世代なのでしょう。
1969年とあります。これは70年安保世代ですね。
わたしは16歳のころに60年安保でした。ちょっと中途半端なのです。
あ、それから、由良さんの散文「中勘助の詩と謎」が適格にまとめられていて良かった。
わたしも最近ちょっと中勘助に触れた文章を書いたので余計に。