花森安治と杉山平一先生 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

今日の神戸新聞夕刊。


NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」に出てくる「暮らしの手帖」編集長が話題に。
花森安治さんである。
花森さんは、我が杉山平一先生と縁のある人。
杉山先生が「わたしの会った人」の中で書かれている。
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活き活きとした文章です。
杉山先生は、花森の後を追って東大美学科へ進まれたのだ。
≪…花森は、それから私を銀座へ連れてゆき、たばこの煙のもうもうとしたハイカラな喫茶店で「文学部には十七の学科があるが、これはボール箱に十七の穴があるようなもので、入ってしまえば中は一緒や。ただ、出るときには、もとの穴から出んならん」と、明快に大学を説明してくれた。≫

そして最後、
≪彼はよく、いまはホップステップのホップだといっていた。彼の死は大々的に報じられたが、彼はまだステップの段階にいた。もっと高く遠くジャンプする人だった。≫
いかにも杉山先生らしい文章です。

若き日の花森安治(左)と杉山先生(右)。『杉山平一全詩集』(編集工房ノア)よりお借りしました。