雄岳院 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

同じ町内に「信行寺」という浄土真宗のお寺がある。
そこのご住職にちょっと用事があってお会いした。
うちは禅宗なので仏事のことではない。
「まあお上がりを」とおっしゃって下さって庫裏の座敷に通して頂いた。
そこで一応の用件をすまし雑談していたら、
「お宅のお父さんの戒名は「雄岳院」という字が入ってませんでしたか?」と。
驚きました。たしかに父の戒名は「雄岳院文堂遼武居士」である。
父が死んでもう55年になる。
「雄岳院」という院号を知ってる人なんて誰もいない。
うちの旦那寺は「茂松寺」だ。「信行寺」さんが知ることはないはず。
もしかしたら「茂松寺」の住職も親父の戒名をすぐには言えないのではないだろうか。
なのになぜ?
とにかく、この信行寺さんのご住職は、85歳になられるが記憶力が凄い。
どこかで、なにかの折りに、ちょっと目にされたのだろう。それが頭に残ってしまっている。自分の寺には用事のない戒名なのに。

帰りには「あなたに会うのが楽しみです」とおっしゃって下さった。
そして、今年新しく建てられた鐘楼を指差し、「撞いて行かれますか?」と。




ありがたい。また機会を作って会いに行こう。