古い草稿を… | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

出てきた古い草稿の中から一篇をちょっと。
28年前の作品です。

 
    輪のある日

  混みあう日が何日か続いたあとには
  ポカッとひまな日がある
  開店以来一年
  もう何度も経験して来たことなのに
  このままずっと
  閑な日が続くのでは
  と思ってしまう。

          1988年12月11日



これは全く忘れていたもの。
草稿のままで、どこにも発表しなかった理由はわかる。
深みもないし、シャレた比喩もないし、なんの発見もない。
単に、店の日誌のようなもの。
とても詩とは呼べない。
ちょっとした心の動きが書かれているだけ。
しかし今となっては、ほほう、こんなことを考えていたのだと、当時の自分を遠くから懐かしく見る思いがする。