牛山さんの話。
「和歌山で生まれたんやけど、親父がナマクラで借金作って、家も土地も失くして追われるように四国の山奥へ行かされた。四万十川の上流のド田舎や。地の果てへ流されたような気がした。ホンマ情けなかった。忘れもせん、俺が6年になる4月6日やった。そこでアルバイトした。山の中から炭を道まで出すんや。細い山道、背中に負うて歩いて。一俵運んだら5円くれる。それを溜めとって、60円になったらラーメンを食うた。そのころ一杯のラーメンが60円やった。情けない生活やったけど、今から思たら良かった。今も付き合うとるええ友達も出来たしな」
牛山さん、たまには真面目な話もする。