牛山さん | 喫茶店の書斎から

喫茶店の書斎から

コーヒーカップの耳

今朝一番のお客さま、町の社長、牛山さん。
「長いこと使うてきた社員、辞めさした。いや、自分から辞める言いよった。前から何遍も辞める辞める、言いながら、結局は詫びを入れてきよって。そやけど今度は『明日から辞める』言いよって、俺もホンマに困った。酒を飲んだらコロッと変わりよる。長いこと働いてくれとるから、これまでは勘忍してきたけど、もうアカン」
78歳になってたという。それをこちらから辞めさすのは忍びないからこれまで使ってきたという。「得意先からは、あの人(年寄り)が来るんか?と会社の信用も低うなるしな。これでやれやれと思うとる」
もっと色々話して行ったけど、出て行きがけの捨て台詞が「辞めてから何遍も電話してきよる。グジャグジャグジャグジャ言うてきよる。鬱陶しい、あんたと一緒や」
そこでわたし、「ホンマや。そっくりや」。