お贈り頂いてから大分になる。
放っておいたわけではありません。折に触れて読ませて頂いてました。
鈴木漠さんの『続続 鈴木漠詩集』

森本良成さんの装丁。品がいいです。
鈴木さんはこのところずっと押韻詩を追求しておられる。
もう日本ではほとんどの詩人が試みていない(と思う)詩法だが。
語彙の豊富な鈴木さんだからこそかもしれない。
この詩集でも、鮮やかに素晴らしい詩語が散りばめられている。
そして押韻詩は自由詩に比して緊張感がある。
といってもこれも優れた詩人、鈴木さんだからかもしれないが。
取りあえず一篇紹介しましょう。
「愛染??」です。
緊張感があってしかも格調が高いですねえ。
兵庫県の文化団体「半どんの会」の代表をなさっているが、鈴木さんは今や日本を代表する詩人といっていいと思います。
この詩集には押韻詩だけではなく、後半には自由詩も収められている。
やはりわたしは押韻詩は敷居が高く、正直言ってちょっとついていきにくいのだが、自由詩はなじみやすい。
中でも次の詩は好きです。
「余白?」です。
わたしでも安心して読めます。だからと言って平明なだけではない。深みも広がりもあり、読む者の想像心を呼び起こします。
この詩集は、何度も読み返すのに適した普遍性の高い詩集です。
わたしはお贈り頂いてからもう三度ばかり読ませてもらってます。
そして、三度目を読み始めて驚いたことがあります。
それは丁度先日の満月の夜だったのです。
見事なスーパームーンの時。
実はこの詩集の巻頭の二篇は「月」がモチーフになっているのでした。
いや単なる偶然ですけれど。
鈴木さん、貴重な一冊をありがとうございました。



