『ふたりだけの時間』 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

昨日、ただならぬ本が贈られてきた。

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芦屋の詩人、山下徹さんからである。
いつも「芦屋芸術」を贈ってきて下さる人。
彼は昔、大阪の詩人、青木はるみさんの教室に通ったことがある人。
それだけに、わたしにとっては難解な詩を書く人。
今回もそのような詩集かと思ってページを開いて驚いた。
最初のページにこんなことが書いてある。
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なんということ!奥様がお亡くなりになったと。
そんなバカな!
今年も一度お会いしている。
毎年お会いしている。
お元気だったのに。
ということで、このページに書かれていることは、彼一流のフィクションではないかと思った。
どんな展開になるのだろうと思って読み進めたのだが、すぐにこれは本当のこととわかった。
わたしにとってもショックである。
この夫婦とのお付き合いは長い。
わたしがまだ30歳前後のころ、仲間と起こした「春風将棋グループ」に夫婦で入会して来られたのだった。
彼らもまた30前後だったと思う。
そこで彼が詩を書いていることも知った。
後、わたしの店からお米を買って下さるようにもなり、お付き合いが深まった。
さらに、彼が損害保険の代理店を経営していることを知り、以来ずっとお世話になっている。
ということで、契約更改時には夫婦そろってやって来て下さるのだった。
それがいきなり、彼女が亡くなったと。
しかも病名を告げられてからわずか一ヶ月少々で。
この本には、その一ヶ月少々の間の夫婦のことが詳細に書かれている。
わたしは胸を塞がれる思いで読んだ。
しかし未だに信じられない思いだ。