足立先生のこと。 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

昨日の催し「足立巻一さん 詩と散文の仕事」をお聞きして思いました。
わたしも足立先生とのことをちょっとまとめておかなければならないなと。
というのも足立先生を直接知る人で、文が書ける人が少なくなってきているということです。
昨日の講師のたかとうさんにしてもそれほど深くはご存知ない様子だった。司会進行をされた大橋さんも同じくあまりご存知ない様子。みな書物からの知識だ。
参加者の中で三浦さんなどは「天秤」の同人だったからよく知っておられるはずだが、まとまったものは書いておられない。
これまでに足立先生の評伝的な書物は、東秀三さんが『足立巻一』を出しておられる。それから、庄野至さんが『足立さんの古い皮鞄』で織田作之助賞を受けておられる。
そのほか、桑島玄二さんが「海鳴り」に「アダッツアン」と題して連載を始められたがほどなく中断した。この時、わたしお便りを出し「続けて下さい」とお願いしたが、「事情があって続けられない」とのお返事を頂いた。その事情、後に宮崎修二朗翁からお聞きしたが残念だった。
わたしもせっかくのお近づきだったのだから、何らかのものをまとめておかなくてはと思った次第。古い日記帳などを調べなければならない。
歳を重ねるほど、しなければならない仕事が増える。残り時間が…。
足立先生は69歳で遺言書を用意され、73歳で亡くなられた。くらべものにはならないが。