「たむけ花」 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

実は、昨日K・Hさんから戴いたものにもう一つあった。
杉山平一先生の遺品の中の一つ。
発行者の宮本順三氏から杉山先生への贈呈本。
しかも、宮本氏から杉山先生への大変丁寧なお手紙つきである。
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ある薄幸な女性への追悼の冊子である。書かれたのは宮崎修二朗先生。
ということで、わたしが持つのがいいだろうとのK・Hさんのお心配りです。ありがとうございます。
もう古いものです。昭和57年のこと。30年以上昔ですね。
宮崎先生らしい情の深い文章です。ご自分とは直接縁のない人のことをここまで情を込めて書かれるとは。しかしそれは、損得抜きの人と人との縁(えにし)と義(ぎ)によるもの。新聞記者だった職を生かしての調査を経て、詳細に書いておられる。主人公の薄幸の女性も泉下でさぞ涙を流して喜ばれたであろうと思われる文章です。その女性とは、第三回のミス神戸、中里小節さん。二十歳で夭折されたのだと。写真が一枚掲載されているがかわいい美人だ。

ところが、この冊子をK・Hさんから提供を受けたことを、今日、宮崎先生にお伝えしたら、なんとなんと!!!
 「『たむけ花』は、数日前偶然に発見、貴兄へ奉呈のつもりでした」と。
世の中、不思議なことが起こるものです。