探し物 | 喫茶店の書斎から

喫茶店の書斎から

コーヒーカップの耳

昨日、ある大切なものが無くなっているのに気づいた。
小さなものである。
保管する場所は決まっている。
そこにしか置かないことにしている。
ところが、無い。
あわてて探した。
けど、ない。
大いにあわてた。
家内も動員して大探しした。
けど見つからない。
だいたい、置き場所は見当がつく。
そんな場所をくまなく当たってみたがない。
半日、探しまくった。
まさかと思うタンスの中の衣服のポケットも確認。
しかしない。で、あきらめた。
時間の無駄だった。
もう一度入手する方法を考えるしかないと思った。
そして夜、風呂から上がって、半纏を着ようとして手に取ると、ポケットのあたりに異物の感触。
まさか、と思ったが「どうか……」と祈りながら手を入れた。
はたして有った。
わたしが入れたに違いない。
けど、全く覚えがない。
無くなったのは12月20日以後ということは、ある理由からハッキリしている。
しかも、半纏には何度も手を通している。
わずか一ヶ月だ。わたしもついにメモリー症になってしまったか。
風呂に入っている家内に「有った」と報告した。
すると「神様が教えてくれはったんや」と。
わたし、神様にお礼を申しました。
翌日に、再入手の手続きに行こうと思っていたので、大いに助かった。

?「メモリー症」は木津川計さんの造語。