「わが心の自叙伝・鹿島和夫」3 | 喫茶店の書斎から

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鹿島和夫さんの自叙伝、3回目です。
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「体罰というのは身体的な痛みだけではなく精神的な嫌悪を与える場合もあると、身をもって教えてくれたのかもしれない。」
人にもよるが、体罰は与えた方にも傷が残る、とわたしは思う。

足立巻一先生の自伝のなかに、こんなくだりがある。
恩師の池部宗七先生のことだ。
―<吾子(あこ)よ吾子よ汝(な)を手打ちたる手のひらのひびきを堪えて野を歩みおり>
先生は生徒を殴ったりすることはなかったが、一度だけ頬を打たれたことがある。すると、この歌のように身も世もないばかりに悔い、悲しまれた。―