香住春吾 | 喫茶店の書斎から

喫茶店の書斎から

コーヒーカップの耳

 久しぶりに宮崎修二朗翁をお訪ねした。夕刻いきなりである。ちょっと食料をお持ちしたのだ。

 帰りに持たされたのは、詩誌「柵」の4,5,6月号。そして、宮翁さん宛の古い書簡。

 探偵作家、香住春吾から宮翁さん宛のもの。昭和41年3月9日の日付。

 丁寧な手紙である。香住は1909年生まれだから、この時57歳。宮翁さん、46歳だ。しかし手紙の一部に「宮崎さんになにかと指導して頂いたお蔭で今はどうやら呑気なことをいっていられます。ほんとはもっとえらくなって、宮崎さんにも自慢して頂ける男にならねばならぬところですが、非才を如何にせんです」とある。

 これを読むと、やはり昔から宮翁さんは、「触媒」に徹しておられたのだ。

 それはともかく、今日の宮翁さん、書斎で勉強中。お元気そうで良かった。