大峰山 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

 奈良県吉野の「吉野勝造商店」さんから案内状が今年も届きました。

Img768 律儀なことです。


 昔、「西宮一心講」というのがあって、毎年ゴールデンウィークに大峰登山修業に団体で行き、わたしそのお世話をしてました。

 いつも私たちが泊まる旅館に、この吉野勝造商店さんが、陀羅尼助丸を売りに来ておられたのです。ご主人が、大部屋を入った所に薬を並べ、注文を受けられます。そのうち、代が変わって若主人が来られてました。彼はおとなしい人で、チョコンと座っているだけです。薬が並べられると講員が三々五々集まって、品定めをし、注文します。結構な金額になったと思います。しかしその若主人は早くに亡くなられ、後を若い奥様が受け継いでおられました。同じように部屋の入り口付近に薬を並べ、黙して注文を待っておられました。あれからもう何年になるでしょうか。そのうちわたしは事情があり講を離れました。私が離れて間もなく、その講も自然消滅したようすです。

 3年ばかり前、家内と車で行ってみました。随分道が良くなっていて思いがけず早く行けました。昔は大変だったのですけどね。

 旅館は少し寂れている様子でした。吉野商店に寄りました。若奥さんももう若いとはいえなくなっておられました。お孫さんがおられました。それだけこちらも年行ったということでもあります。

 覚えていて下さって、買い求めた陀羅尼助丸(ダラスケ)におまけをつけて下さいました。タオルなども頂きました。

 大峰登山については、色んなことを思い出し、切りがありません。小学校4年生の時からほとんど毎年上がっていたのですから。最初は、あの、北海道で洞爺丸という青函連絡船が沈没し多くの犠牲者が出た台風の時に登山したのでした。よく事故にも遭わずに下山出来たものだと思います。ああ切りがない。