(ひとこと)
この度の震災で被害にあわれた方に、心よりお見舞い申し上げます。
また、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
テレビやネットや雑誌で報道される被害の情報を見るにつけ、心痛む毎日です。
ブログを毎水曜日にアップしておりましたが、この災害以来、なかなか手が動きません。
遠く九州に住んでおりましても、この気持ちの落ちようですから、当地の方のお気持ちは如何ばかりかと、
案ずるばかりです。
出来ることから、お手伝いしたいと思っております。
頑張っておられる皆さんに心からのエールを送りたいと思います。
辛いニュースも多いので、できるだけ明るい話題を心掛けて書きたいと思います。
(九州新幹線)
3月12日、九州新幹線が全線開通した。
11日の東北関東大震災の影響でイベントはすべて中止となり、地味な門出となったが、快調に安全に新幹線は
動いている。
さて、この新幹線の真っ白な流線型のフォルム、遠くから見てもとても美しい。
騒音対策もなされているためか、在来線の音よりも静かな気さえするほどだ。
熊本の駅も新幹線用の駅舎が建てられ、すっかり周りの景観も変わりつつある。
まだ完成には程遠い旧駅舎とその周りに建設途中のビル群をながめると、これからどんなにか街が発展して
いくのだろうと、期待が大きくなる。
この新しい九州新幹線の「熊本-鹿児島中央」間を、先日、はじめて利用した。
鹿児島に住んでいる息子が大学を修了し戻ってくるというので、部屋の整理を手伝いに出かけることにした
のである。
以前は、熊本から鹿児島に行くのにJR九州の特急『リレーつばめ』を利用していた。
新幹線は本州方面から来ると福岡(博多)止まり。
博多-熊本-新八代(熊本の南)間は在来の線路。
そして、新八代-鹿児島中央間は新幹線という変則的な鉄道だった。
だから、熊本から新八代まで在来線の特急に乗り、それから新幹線に乗り換えて鹿児島へ行くのが、一番早い
方法だったのである。
熊本-新八代間は距離にして約33キロ、八代-鹿児島間は約140キロだ。
だが、この距離を『リレーつばめ』で移動すると、それぞれの所要時間は20分と49分だったのである。
距離と時間がみごとに一致しないこの電車の旅は、アナログとデジタルといった感がある。
八代までの道のりは、町並みと田畑の繰り返しの風景を眺めながら過ぎていく。
熊本平野から八代平野へと続く開けた空間は、空が高く、遠くに眺められる阿蘇の山並みと反対側の海に続く
風景が美しい。
信号などで徐行運転をするときなど、電車の近くを通る人の表情まで読み取れるようなスピードとなることも
あった。
ところが、新八代で新幹線に乗り換えると、途端に景色の見え方が違ってくる。
何より、山間を抜ける線路は、ほとんどがトンネルで、景色を楽しむような雰囲気はない。
ただただ目的地をめざしひた走るのである。
この間は、車内でのゆっくりした時間を味わうことになるのだった。
さて、九州新幹線が全線開通して初めての乗車である。
ちょうど乗ったのは、新しい車両の『さくら』だった。
音もなく駅を発車した『さくら』は、見る間にスピードを上げていく。
時速200キロを超すスピードなのだという。
近くの景色は飛ぶように流れていくが、遠くを眺めているとそれほどのスピードを感じることがない。
それは、多分揺れと音のなさからくる感覚なのだろうと思う。
ゆったりとした座席に腰を掛け、本を広げる。
前方を見上げると、車内の掲示板には新しいニュースが次々と流れてきている。
周りには人がたくさんいるにもかかわらず、ほとんど何も聞こえてこない。
静かで快適な時間である。
外を見ると、あっという間に、八代の製紙工場の煙突群が目に入ってきた。
「あれ、もう、八代なんだ。」
静かな車内で、急に、後ろの席から男の人の声が聞こえた。
隣の人と話している様子。
「速いなぁ。」
「熊本から10分だよ。」
「びっくりだね。」
本当に、びっくりだと、思わず納得してしまった。
私は、前日、八代の高校に車で尋ねたばかりだったのだ。
熊本から八代までは下道で1時間半かかる。
遠いなぁ、と思いながら運転してきたのに、なんと、新幹線ではその距離を10分で走ってしまうのである。
全く、ついていけない程の時間感覚・・・。
こうして、たった49分で、私は鹿児島の地に着いてしまったのだった。
10時少し前に自宅を出てから1時間半も経たず、目的の鹿児島の息子のアパートを訪ねていたのである。
熊本で街に買い物に行って帰ってくる時間よりも早いではないか。
点と点を結ぶ手段としての新幹線は、本当に便利でありがたい。
それでも、ゆっくりと時間をかけて移動する魅力を、私たちは多分捨てられないのではないかな、と思う。
(今日)
熊本城を通りました。
桜の花が咲き始めていました。
もうすぐ、春です。