ビタミンに関する代謝経路の解明はまだまだ不完全 | Coffee of Cusie

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薬剤師ですが、仕事内容は行政です。学生時代は、数学、物理学、化学、生物学に特に興味がありました。

僕は、トリプトファンからナイアシンを生合成する酵素の活性が弱く、体内で必要量のナイアシンを生合成できないという特殊体質らしいのですが、これは実のところまだ仮説であってしっかりとは証明されていないのです。

僕が思うに、多くの人はナイアシンが欠乏することはないと思います。

なので、無理にサプリメントで補う必要はないでしょう。

実際、ストレスなど原因のはっきりしているうつ病に関しては、抗うつ薬が良く効くことが少なくなく、患者のQOLを高めることに疑いはないでしょう。

しかし、一部の精神疾患やその他の疾患に、ビタミンの代謝が関与している可能性は否定できません。

莫大な時間と労力が必要になるでしょうが、ビタミンに関する代謝経路の詳細を解明することは重要だと思います。

不足分のビタミンを補うだけで大部分が寛解できるタイプの精神疾患の割合がどのくらいなのかがはっきりとしていないため、僕自身の体験や一部の情報から、ビタミンの摂取を薦めることはできませんが、もの凄く身近な物質であるビタミンを研究するのも面白いでしょう。

ビタミンの研究から新たな創薬ターゲットが見つかるかもしれませんし、そもそもビタミンCの多量摂取で寛解するタイプの癌が存在することも不思議なことです。

癌は、あらゆる遺伝子の変異が関与しているため、例えば、乳がんだけでも何10いや何100種類もあるかもしれません。

なので、ビタミンCに反応する癌は、どの遺伝子に変異のあるタイプなのかを研究するのも面白いでしょう。

ありふれた物質で治療できる癌があるなんて、実に不思議です。

病気は、実に多くの種類があり、実際の医療現場ではたとえば本態性高血庄と診断したりしますが、本態性高血庄を一つ一つ原因ごとに分類していったら何種類になるんでしょうね(笑)

糖尿病もそうです。

実は、この手の疾患の薬は、万人に効くように上手くターゲットタンパク質を選んでいると考えることもできるでしょう。

ビタミンも薬も分子です。

ビタミンの効果を否定することも、肯定することも今の科学水準ではできない筈です。

患者さん一人一人の状態の変化を真摯にとらえることしか方法はないと思います。