関数について。
中学校で比例と反比例、一次関数、(原点Oを頂点とする)二次関数を学び、
高校で二次関数、三角関数、指数・対数関数、三次関数、無理関数などを学ぶ。
関数という考え方は日常的にどこにでも存在する身近なものだが、一歩進んで関数について考えると以外と良く分かっていないことに気付かされる。
高校では、変数xとxによって決まる数yとの対応関係と考えていれば、おそらく十分なのだろう。
大学2年の夏休みのときに、「関数とは?」と考えて調べてみた。
それでわかったことは、次のように集合の言葉で関数は定義されるということだ。
『A , B を集合とし、f を積集合 A×B の部分集合とする。 A の任意の元 x に対して、 ( x , y ) ∈ f となる B の元 y がただ一つ存在するとき、 f を A から B への関数(写像ともいう)という。表記としては f : A → B と書く。』
この定義によると、集合 A も集合 B も集合ならば何でもいいわけで、関数 f も別に具体的に数式で記述できる必要もないことがわかる。
でも薬学生や一般の人が考える関数は、
A 、B ともに実数体 R からなるもの(二次関数や三角関数など)、
A が自然数系 N で、B が実数体 R のもの(いわゆる数Bの数列など)、
Aが3次元の実数 R^3 で B が実数体 R のもの(場所と温度の関係や、時間に依存しないシュレーディンガー方程式の解 Ψ( x , y , z ) など)など、
比較的理解しやすいものばかりだと思うが。
ちなみに足し算、掛け算についても、
『Xを集合とする。X×XからXへの写像fをX上の二項演算または単に演算という。Xの元x,yに対して決まるXの元f(x,y)を、x+yとかくとき、この演算を加法と言い、xyとかくとき、この演算を乗法という。』
と定義されている。
つまり、2+3=5も、2×3=6も関数と言える。
足し算の場合は、(2、3)∈X×Xで、f(2、3)=2+3=5ということだ。
(この場合Xは、たとえば、実数体全体の集合R。当然2,3∈X。)