夜の異常透明 -21ページ目
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0401【 自然と荒地の境界線 】

キーボードを打つ
文字を綴るという行為で
どんどん過去を量産していく――

それが無駄なように思えて、
ある日私は、自分を説得した。
好きだったブログの執筆も閲覧も辞めた。
辞めてみて、離れてみて、初めて分かったことがある。

それは
「伝えたいのなら言葉にするしかない」
ということ。

当たり前だと思っていたし、頭では分かっていたことだが、
体験し、実感として身体に刻まれるのとでは
影響の範囲が違うらしい。

時間を持て余しているし、
久々にブログの世界に帰ることにした。

チェックリストに保存してあった懐かしいブログ。
数年前、楽しみにしていた記事の数々は
主を失い、時が止まっていた。

でも、それでも残っていた。
とても不思議だった。

誰も管理していない日常や思い出が
ただ、そこに置いてある、という光景が
突然、頭の中に広がって、地平線まで広がって
ちょっと鳥肌がたった。

何を感じたのか、上手く言葉にできない。

160402_1


写真は、福島県白河市にある小峰城。
先月、特に理由もなく一人で行ってきた。

近くにいたおじいさんが、地震で倒壊した石垣を指し
「これは、市民のお金で工事しているんだよ」
と誇らしく語った。

何か気の利いた言葉を返したかったが、
おじいさんは目を細め、遥か遠くを見つめていたので
この時、私は何も言えなかった。

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