「わかりにくく難解なことを分かりやすく伝える」ことを職業としている私。今回は、ネットで話題になっているビタミンC化粧品について、なるべく簡単に書いてみようと思うよ。

文字でどこまで伝わるか不安だけど、参考にしてみてね。



  ビタミンC化粧品に配合の規制はない




事の発端はこちら。

なぜか配合濃度に上限があるかのような情報が出た模様。


まず、配合に関する規制について理解していこう。


レッツゴー(死語)



  配合の規制にある誤解を解きたい


「配合に規制がある」

と聞くとまず誤解されるのがこれ。


きっと毒性強いのね!!

きっと危険な成分なのね!!


このフィルターを外して欲しい……

これは、化粧品に限らず食べ物もだけれど…


毒物が配合できないのは当然


なのですえーん



どの業界の配合規制成分にも、わざわざ「サリン」とか「アスベスト」なんて書かれてないでしょ?

毒物を配合したら逮捕ですよ……



一般消費者が自由に購入するものに、人体などに対して危険な物は配合できないということをまずは覚えておいて欲しい。


人体に大きな害があるとわかっている成分が化粧品に配合できないのは当然のこと。


では、配合規制とは何なのか?



医薬品、医薬部外品(薬用化粧品)、化粧品には

明確な効果の違いがあります。効きめの範囲も違うし、一時的に使うものと毎日使うものに分けられている。


なので、


効きすぎないように


配合に規制がある成分があります。

他に、化粧品として人体に使用するには不適切なものや入れすぎるとなんらかの効果(副作用)が出てしまうものなども配合を規制してるね。



化粧品が医薬品みたいに効いてしまったら困るもんね。毎日塗れなくなっちゃう悲しい

あと、刺激性が強いものも困るね。



医師の処方箋なく自由に購入できるのが化粧品の最大の利点。薬は効きすぎたら医師に伝えればお薬の変更ができるけれど、化粧品は誰でも自由に買えるもの。


効きすぎてしまうものも、肌には塗らないでおきたいものも配合の規制があるよ。



  効きめ(効果)とは?


例えば、頭痛薬。

飲むとすっきりする人もいれば、飲むと吐き気と目眩を感じる人もいる。

「効きめ」は良いことも悪いことも起こります。


良い効果➡効きめ

予想外の効果➡副作用


どちらも「効果」であることは変わりないわけですキョロキョロ


この「効果」ですが、

化粧品や医薬部外品は「緩やか」であることが法律に定められているので(医薬品医療機器等法)

様々な成分に配合の規制があります。


良くも悪くも効きすぎないように、毎日安全に使えるように定められているわけです。



  配合が規制されているもの


化粧品や医薬部外品(薬用化粧品)に配合が制限されているものについては、ポジティブリストやネガティブリストに掲載されているよ。

化粧品を学んだ人にはおなじみですね。



もう、一枚目から難しいよね凝視

PDFリンク貼れないし。

これを理解しないと広告書くのも大変になるから
 美容広告管理者養成講座 でも、ガッツリ読み合わせしますよ。
9期を受講されている皆さん楽しみにしててねグラサン

公開されている資料なので読みたい方はググってみて。



化粧品の成分は「何に配合するのか」でも配合規制が変わるよ。

すすぐのか、すすがないのか。
粘膜に使うのか、使わないのか。

この「配合の規制」にもちろんビタミンC(アスコルビン酸)は記載されていないわけです。
ここに記載されてないなら、配合の規制はない成分ということになります。


そういえば、化粧品に配合できる成分は一覧とかあるの??と思った方はここでチェックダウン
 


表示名称があるもので化粧品は作られてるよ。



配合規制の話題に戻りますが、みんな大好きコエンザイムQ10(ユビデカレノン➡化粧品成分ではユビキノン)は配合の制限があるよ。100g中0.03g。
粘膜に使用する化粧品は配合が‪✕‬になってますね。


効きすぎちゃって良い効果が出ればうれしいけど、逆に肌荒れしちゃうと困るもんね。

そして、皆さんここで気づいて欲しい。
濃度  書かれてる?
配合量て書かれてない?


  今回の件に関連した資料


配合の規制についてはなんとなくわかったと思うのですが、では今回の問題提起はなぜ起こったのか?


有効成分リスト。
医薬部外品(薬用化粧品)は、製造前に届け出が必要なのですが、その際の注意点の一部。

こちらも公開されているので、気になる方はググッてね。



有効成分のリストなんだけど、

過去に承認された
・効能効果
・用法用量
・剤型
などが掲載されていて、これと同じなら原則として資料はいらないよ。

というもの。
もちろん、ここに記載されてるよりも多い量で配合している医薬部外品(薬用化粧品)があることは、皆さんのほうがご存知ですよねおねがい飛び出すハート


10年くらい前に「医薬部外品(薬用化粧品)は、美容成分の配合量が決まっている」と誤情報が流れたのもこのリストだった記憶。

化粧水の欄にある「アスコルビン酸」がビタミンCのことです。
有効と思われる配合量の最低ラインとも言うかな?
承認受けたのがこの数字ですもんね。


メーカーさんが、有効性と安全性の境目を日夜研究して、組み合わせもいろいろ研究して配合しているのが化粧品(医薬部外品含む)なわけです。


メーカーに全責任があるのに危ないものは入れないよね。ここで関係してくるのが「製造物責任法」でもありますな。


そこまで安全性確認などをしても、人の肌は千差万別であり体調などによって変化もするから、
人によっては化粧品で肌が赤くなってしまったりもするわけです。


  情報って難しい


化粧品の基礎を学んでる人はわかる。

化粧品は毎日使って肌の健康を保つもの。

30歳の肌のまま、40歳になることを目指したいよね指差し


医薬部外品(薬用化粧品)は、毎日使ってシミやシワなど防ぎながら健康な肌を保つもの。


薬の成分は化粧品に配合できないし、

薬のような効きめのものは化粧品として販売していません。



薬のような効きめのものは です。



美容や化粧品は関連する法律や規制、業界基準が数多くあるのだけれど、資料の難しさも相まって誤解されがち。



このブログも含めて、ネットの情報は鵜呑みにせず
厚生労働省とか各都道府県の薬務課に確認すると良いかもしれない。
一般の皆さんには敷居が高いのが難点だけどオエー

私はすぐ電話して聞いちゃうけど、もう少し敷居が低かったら良いのにねぇ。


  だから、広告も難しい


化粧品は、事前申請の関係もあって

広告だけ見て「違反だ!!!」と決めつけるのは難しいものもたくさん。


化粧品の効能効果の範囲は定められているから分かりやすいのだけれど、医薬部外品になると申請の全てを私たちが確認することは無理でもあるのです。


○○なら書ける!

○○なら書けない!


なんて、○‪✕‬クイズじゃないところが難しいところでもあり、広告の面白さでもありますおねがい


景品表示法はもっと難解だよねオエーガクブルしちゃう


  餅は餅屋


化粧品の専門家はやはり「化粧品開発者」です。

日々、原料に触れ、予算や期日、営業計画も関連する中で新しくて消費者の満足度が高い商品を開発するって至難の業ガーン


 

でも、私たちも少しづつ「知る」ことはできる。 


化粧品ておもしろいなー

美容って奥深いなー

勉強するの楽しそうー

やりがいありそうー


と思った方は、一緒に美容の世界を知っていきましょう爆笑ANSEMで待ってる。笑


まだまだ奥深い化粧品や法律の世界。

永遠に終わりがないので、長く楽しめ(?)ます。笑