乗り損ねた
たった何十秒かで乗れない地下鉄
あの時こうしてれば間に合ったのに
とか
もっと早く走れば間に合ったのに
とか
あたしの人生みたいでやりきれない
あと10分近くもこうしてぼんやりしてなきゃいけない
今日は日曜日だからゆっくりしたかったのに
もう本気でどこかに行ってしまいたい
成功しないダイエットも
続かないヨガも
買っただけで読む時間がない川端康成も
全部捨ててどこかに行きたい
この前のメールは最後の賭けだった
ぎこちない電話で実感した
願っても手に入らないと嘆いたけど
あたしは願うだけだった
敗因はあたしの弱さだ
失いたくないからと閉じ込めた想いは失ったも同然なのに
爽やかな初夏の明け方に何度も寝返りをうって
移り行く意識の中でまだ目覚めない自分に絶望しながら
歩きだしたあたしは昔を羨む事をまだ忘れられない
進む場所が違うだけ
季節も匂いも吹く風も
あの頃と少しも変わらない