実家の母は、熟柿好き。
台所まで持っていき、立ったまま、シンクの上で皮を剥いて食べていた記憶がある。
じゅくじゅくと熟れた
ねっとりとした果肉を頬ばれば
滴り落ちる朱色の果汁。
いちまいの皮の包める熟柿かな
(野見山あすか)
私は、かためが好き。
歯ごたえを楽しみたいから。
亡くなった父は、よく、つるし柿を作っていた。
しぶ柿の皮を剥いて、細い紐を巻きつけ、縁側の物干し竿に吊るす。
正月の鏡餅には、決まって、父の手作りのつるし柿が添えられた。
そういう手仕事の好きな人だった。
あおし柿というのもある。
しぶ柿のなり口を焼酎に浸し、密閉容器に入れておくと、渋が抜けて甘くなる。
地域によっては、温泉に漬ける方法もあるようで。
里山の秋は深まりゆく。