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ないとめあです。
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 2026年7月、ドル円は一時163円台に達し、1986年12月以来39年7カ月ぶりの安値を更新した。中東情勢の緊迫化による「有事のドル買い」と、高市政権の財政拡張路線への警戒が重なった結果だが、7月末の日銀会合を前に、この流れが反転する可能性について整理しておきたい。

1. 現状の確認

 円相場は2026年7月21〜22日にかけて対ドルで下落し、一時1ドル=163円台をつけた。米国とイラン間で攻撃の応酬が続くなど中東情勢の緊迫を受けた「有事のドル買い」が優勢となっている。高市早苗政権の財政拡張路線を警戒した円売りも重なり、両者が「共振」する形で円安が進行した。
出典:日本経済新聞(2026年7月21日・22日)
 片山財務相は「必要があればいつでも適切に断固たる対応を取る」と口先介入を行ったが、その後も163円台前半でドル買い・円売りの流れが継続し、目立った効果は見られなかった。
出典:外為どっとコム(2026年7月21日)
 日銀は7月30〜31日の決定会合で、政策金利を現状の0.75%から1.0%に引き上げる方針とされる。中東情勢の緊迫化に伴う原油高が物価の上振れリスクを高めていることが背景にある。
出典:日本経済新聞(2026年6月10日)

2. 為替介入は「利上げとセット」でなければ効きにくい

 為替介入単独では効果が一時的にとどまりやすい。2022年の介入も、日米金利差が拡大し続ける局面での単独介入だったため効果は限定的だった。介入が持続的な効果を持つのは、金利差の方向性そのものが変わる時、すなわち利上げとセットで実施された場合である。
 ただし、日銀の対応(利上げ・介入)だけで円安を止められるとは限らない。2026年4月末〜5月の介入は、日銀会合でタカ派的なコミュニケーションがあったにもかかわらず円安が止まらず、160円台後半まで進行した末に実施された。中東発のドル買いが強い局面では、日銀のスタンスだけでは抑えきれない可能性がある。
出典:野村證券ウェルスタイル(2026年7月)

3. 円売り建玉は2007年以来の水準

 CFTCが集計した2026年5月26日時点の建玉報告によると、投機筋(非商業部門)の円売り建玉は22万7660枚に達し、2007年6月下旬以来の水準に膨らんだ。売り越し幅(ネットショート)も11万4667枚と、政府・日銀による過去最大規模の円買い介入前の水準を上回った。
出典:BigGo ファイナンス(2026年6月1日)
 建玉が積み上がるほど、逆方向に振れた際の巻き戻し(ショートカバー)の反動は大きくなりやすい。利上げまたは介入が引き金となれば、蓄積されたポジションの解消が急速な円高圧力を生む可能性がある。

4. 巻き戻りの規模感 — 過去2回の介入を比較

時期 介入前の水準 押し戻し幅 介入総額
2024年4〜5月 160円台 約6円(→154円台) 9兆7885億円
2026年4〜5月 160円台後半 約4円弱(→156円台後半) 11兆7000億円
 投じた金額は2026年の方が大きいにもかかわらず、押し戻し幅はやや小さい。円売りポジションの総量が拡大し、一度の介入では吸収しきれなくなっている可能性、あるいは中東発のドル買い需要がその都度強まり、介入の押し戻す力と拮抗している可能性が考えられる。

5. 巻き戻った場合、株価への波及も想定される

 円売りポジションの多くは低金利の円を調達通貨とするキャリートレードの一環とみられる。円が急騰すれば、このポジションの損失を埋めるために他の資産(日本株を含む)を売って現金化する動きが連鎖しやすい。2024年8月5日、日銀の利上げと米雇用統計の悪化が重なって円が急騰した際、日経平均は1日で4451円安と当時歴代最大の下げ幅を記録した。今回も同様の経路(急激な円高→キャリートレード巻き戻し→輸出関連株売り)をたどるリスクがある。

結論

巻き戻る可能性は十分にある。

 2007年以来の水準まで積み上がった円売り建玉、利上げの実施可能性、過去2回の介入実績を踏まえれば、7月末の会合を機に一定の円高方向への反動が生じる蓋然性は高いと考えられる。介入単独でもある程度の巻き戻しは期待できるが、規模の逓減傾向(2026年4〜5月の実績)を踏まえると、一度の介入で完結せず複数回に及ぶ可能性が高い。

 ただし、この反転が定着するかどうかは、最終的には中東情勢の展開(停戦か、さらなる激化か)に左右される。2026年4月の米イラン間の2週間停戦がその後の戦闘再燃で反故になった経緯を踏まえれば、日銀の対応だけで円安トレンドが完全に転換すると見るのは早計であり、地政学リスクという上位の変数を常に注視する必要がある。また、円高方向への反動が実現した場合、輸出関連株を中心とした株安圧力が同時に発生する点も、ポートフォリオ運営上は無視できないリスクとして意識しておきたい。

 
 
では、また!