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ないとめあです。
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 政治的立場を公言することには一定の躊躇を覚えるものです。しかし現在の与党・自民党の政策方針に反対するという結論を導くには、明確な構造的根拠があります。感情論や特定の政党への反発ではありません。「誰が、どのような仕組みで、損失を被ってきたか」という冷静な構造分析の結果として、現在の自民党政治は支持できない――という判断に至りました。その論拠を、以下の三点に整理して論じます。

■ 「負け」を押しつけられた世代に対する無責任である政党

 

 1990年代後半から2000年代にかけての日本の雇用政策を振り返ると、「規制緩和・労働市場の柔軟化」という名の下に非正規雇用が急速に拡大しました。この方向を推進したのは、自民党政権(および同路線の連立政権)です。

 その結果として生じたのが、いわゆる「就職氷河期世代(ロスジェネ)」の構造的な問題です。内閣府のデータによれば、就職氷河期世代(1974〜83年生まれ)の大卒新卒就職率は平均69.7%と、それ以外の時期の平均80.1%を10ポイント以上下回りました(内閣府「経済財政白書」2019年)。新卒一括採用の時期に正規雇用を獲得できなかった層は、その後のキャリア形成でも継続的に不利な立場に置かれ、未婚率の上昇・年金保険料の未納・老後の貧困リスクという連鎖が生まれました。

 政府も「就職氷河期世代支援プログラム(2019年〜)」を打ち出しました(内閣府「就職氷河期世代支援プログラム」)。しかし、その内容は「正規雇用化支援」に矮小化されており、すでに50代に差し掛かっている層への老後不安・孤立リスクの根本的な解消には程遠い内容です。問題を作り出した主体が20年後に「支援します」と言っている構図自体に、政策の深刻な遅延と無責任さが見て取れます。

■高齢層に偏重した財政構造の問題

 

 日本の社会保障費の構造を見ると、その傾斜が著しいことがわかります。国立社会保障・人口問題研究所の統計によれば、2023年度の社会保障給付費(ILO基準)の総額は135兆4,928億円です。内訳で最大なのは年金の56兆3,936億円、続いて医療の45兆5,799億円であり、その大部分が高齢者向けに集中しています(国立社会保障・人口問題研究所「令和5年度 社会保障費用統計」)。

 一方で、独身の現役中高年層に対する直接支援——単身世帯向けの税控除、孤立防止策、住宅支援など——は、政策設計の中で著しく軽視されています。

 自民党の伝統的な集票構造を見ると、組織票の主軸は農業団体・建設業界・医師会・高齢者層です。選挙において投票率の高い高齢者層への便益を厚くすることが、与党にとって合理的な戦略であることは疑いようがありません。この政治的インセンティブが、財政配分の歪みとして直結しています。

 問題は、今まさに現役で働きながら、介護も育児も経験していない「独身・単身の中高年」が、社会保障の受益者としても、政策設計の対象としても、実質的に「存在しない人々」として扱われてきた点です。彼らは税を払い、年金保険料を納め、社会を支えているにもかかわらず、政策の優先順位では後塵を拝し続けています。

■ 「昭和型家族モデル」を前提とした政策設計の時代錯誤

 

 日本の社会政策の多くは、「夫が正規雇用・妻が専業主婦・子どもがいる核家族」という昭和型モデルを暗黙の前提に設計されてきました。配偶者控除、社会保険の第3号被保険者制度、税制上の扶養控除体系——これらはすべて「標準家族」を基準としており、その外側にいる独身者は、制度的恩恵の外に置かれる構造になっています。

 ところが現実はどうでしょうか。2020年の国勢調査では、50歳時点での生涯未婚率が男性28.3%、女性17.8%に達しています(日本経済新聞「生涯未婚率 男性は28.3%、女性は17.8%(2020年)」)。男性の約3〜4人に1人は生涯未婚という社会です。

 さらに、同じく2020年国勢調査によれば、単身世帯は全世帯の38.0%を占め、「夫婦と子」世帯(25.1%)を初めて上回りました(総務省統計局「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果」)。「家族のいる人」がすでにマジョリティではない時代に、政策の前提だけが昭和のままに取り残されているのです。 

 にもかかわらず、政治の中枢が「少子化対策」として打ち出すのは、結婚・出産・育児に関するインセンティブ中心の政策ばかりです。「結婚しない・できない人々」の孤立リスクや孤独死リスクへの対応は周辺的な扱いに留まっています。孤独死の実態調査すら国として体系的に行われていない現状は、この「感度の欠如」を象徴しています。

■リアリズムによる批判

 

 以上の三点——雇用政策の結果責任の欠如、財政配分における高齢者偏重、家族モデルを前提とした制度設計の時代錯誤——が重なる結果として、ロスジェネ・独身中高年は「構造的な歪みの最大の被害者」という位置に置かれてきました。

 自民党政治に「NO」を突きつけるのは、特定のイデオロギーへの傾倒からではありません。「誰が損をしているか」「その損失は誰が作り出したか」「その責任は誰がどのように取っているか」という問いへの、冷静な答えとして導かれる政治的判断です。

 若者世代の浅薄な考えでもなく、高齢層の既得権益守旧でもありません。バブル崩壊以降の構造変容のしわ寄せを一身に受けてきた世代の視点から、「この政治でよいのか」と問い続けることは、日本社会が最も欠いている「リアリズムに基づく批判」そのものではないでしょうか。

 自らの生存と尊厳を守るための意思表示として、現在の自民党政治に反対する——その判断は、感情的なものではなく、構造分析から導かれる、合理的な結論です。

(本記事は筆者個人の政治的見解を含むものです)

 

 
 
では、また!