こんにちは、ないとめあです。

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 まだ「米軍が日本を守ってくれる」と信じているだろうか?

 

 ホルムズ海峡封鎖という現在進行形の危機が、その幻想を剥ぎ取りつつある。トランプはSNSに書いた。「各国は自国のタンカーを自分で守れ」と。石油の約90%を中東に依存する日本にとって、これは単なる外交的失礼ではない。存亡に関わる宣告である。

そして今回の危機が明らかにしたことは、もう一つある。米軍基地は受け入れ国を守らない、それどころか、攻撃の標的にされるという厳然たる事実だ。日本は、正面からこの現実を直視しなければならない。

米軍基地は「守る」のではなく「巻き込む」

 今回、イランは米軍基地を抱えるイラク・カタール・バーレーン等を攻撃した。そして米国は、それらの国を積極的に守っていない。これは偶然ではない。米軍基地の本質的な機能は「ホスト国の防衛拠点」ではない。米国の力の投射拠点だ。米国の国益と合致する場合にのみ機能し、そうでなければ沈黙する。今回まさにそれが起きた。米国の軍事行動が攻撃の原因を作り、周辺国が被害を受け、米国は守らない。受け入れ国だけがリスクを一方的に負う。

【推論】 在日米軍基地(横須賀・嘉手納・岩国)は、有事において日本防衛の盾になるどころか、日本が攻撃される口実になり得る。中国・北朝鮮が対米報復として日本の基地を標的にした場合、米国が日本を守る政治的意思があるかは、今回の中東の事例を見る限り、楽観できない。

 ここで問いたい。「米軍が来れば安心」という感覚は、一体どこから来ているのか。日米地位協定により米軍人には日本の司法権が及ばない。基地の運用は米国が決定し、日本は関与できない。1952年のサンフランシスコ講和条約と同時に日米安保条約が締結された文脈を振り返れば、日本側に実質的な拒否権はなかった。「基地を貸している」という表現は、敗戦後に日本社会に定着した認知の歪みである。より正確な言葉は「管理された従属関係」あるいは、占領の継続だ。

高市政権に外交はできない——これが日本の悲劇だ

 この危機を前に、日本の舵取りを担うのは高市政権である。率直に言う。最悪のタイミングだ。高市氏のキャリアは総務大臣・経済安全保障担当が中心であり、外務省との関係構築や多国間外交の経験は乏しい。安倍氏がトランプとの個人関係を構築できたのは、長期在任と意図的な「トランプ攻略」への投資があったからだ。高市氏にその蓄積はない。

 さらに構造的な問題がある。高市氏は「親米・反中・強い日本」という軸で支持基盤を作ってきた。これは一見トランプとの親和性があるように見えて、実はトランプに「断れない人間」と見透かされるリスクが高い。トランプが尊重するのはイデオロギー的同調者ではなく、交渉で押し返せる相手だからだ。

 

今まさに日本に突きつけられているのは

  • トランプ関税への対応、譲歩するか、対抗するか
  • ホルムズ海峡での自国タンカー護衛要求への回答
  • 在日米軍駐留費の大幅増額要求

 これらはすべて「断る・交渉する・代替案を出す」能力が問われる案件だ。そしてその能力が現政権に欠けているとすれば、日本はデフォルトでトランプに言いなりになる

【推論】 官僚機構が実質的に対米交渉を担う構造はあるが、トランプのような感情的・非合理的な交渉相手に対しては「人間として押し返せる首相」の有無が依然として決定的に重要である。安倍という防波堤を失った日本外交の脆弱性が、まさに今試されている。

 護衛艦を出すか、座して死ぬか——だが第三の道がある

 石油の供給が途絶すれば、スタグフレーションから経済崩壊へ。260日の戦略備蓄が尽きる前に、産業・物流への打撃が顕在化する。「座して死ぬ」選択肢は現実的でない。

では、タンカーに護衛艦を同行させるか。その場合のエスカレーションシナリオは深刻だ。

段階 想定される事態
第一段階 RGC小型艇が妨害→護衛艦が正当防衛で反撃→日本・イラン間の武力衝突。憲法9条は事実上死亡。
第二段階 日米安保の論理上、米国も引き込まれる可能性。「自分でやれ」と言ったトランプが気づけば参戦。
第三段階 ヒズボラ・フーシ派・イラク民兵が連動。中東全域が戦場化。ロシアがイランへの支援強化。
第四段階(推論) 追い詰められたイランの核使用判断、イスラエルによる先制攻撃検討へ。

 1914年のサラエボの銃声と構造が似ている。局所的な事件が同盟網を通じて世界大戦に発展したあのメカニズムを、日本のタンカー護衛が引き金になって再現しかねない。

 

 ではどうするのか?

 

 かつて、日本はイランと独自の外交パイプを持っていた。米国とも中東諸国とも等距離を保ち、仲介役を担える稀有なポジションがあった。それを活かした能動的外交こそが、本来の第三の道だ。しかし、それを実行できる政権が今の日本にあるかが問われている。

 高市氏はアラブ諸国との会合もドタキャンしています。正しい外交はできないでしょう。

防衛費は「米国兵器の購入費」ではない

 軍事費を増やすこと自体は、この文脈では合理的な判断だ。しかし問題は何に使うかだ。

 現状の防衛費増額の多くが、F-35・トマホーク・オスプレイ等の米国製兵器購入に充てられている。これは実質的に米国軍産複合体への資金移転であり、日本には技術も産業基盤も残らない。しかも有事にそのサプライチェーンが機能する保証はない。

防衛費は自国産業の育成に使うべきだ。理由は明確だ。

  • 有事に米国依存のサプライチェーンから自立できる
  • 防衛技術は半導体・素材・AIへの民生スピルオーバーが大きい
  • 自国の地理・戦略に最適化した仕様が実現できる
  • 同盟国への輸出を通じて独自の外交的影響力が生まれる

三菱重工・川崎重工を中心とした防衛産業の本格強化は、単なる安全保障政策ではなく産業政策・経済政策でもある。この視点が日本の政策論議に決定的に欠けている。

対米投資という「幻想」を手放す時

 米ドルが基軸通貨である根拠の一つは、米海軍によるシーレーン安全保障だった。石油がペトロダラーで決済される構造は、米国が安全保障コストを負担することへの対価だった。

 しかし、トランプが「自分でやれ」と言った瞬間、その前提は崩壊した。庇護の対価としての対米投資・米国債保有という論理が、根拠を失いつつある。ただし、現実的な制約がある(推論)。日本が米国資産を急速に売却すれば円高を引き起こし輸出企業を直撃し、米国債市場を揺るがして報復の口実を与えかねない。「売りたくても売れない構造」これこそが属国の罠の本質だ。

 それでも方向性は変えるべきだ。段階的かつ戦略的な対米依存度の低減と、アジア・中東・グローバルサウスへの投資多様化。これは金融政策ではなく、国家戦略の問題だ。

日本はどこに立つのか

今回のホルムズ危機が突きつけた問いは

  • 米軍基地はその国を守らない。それでも「同盟」と呼び続けるのか。
  • 外交能力のない政権のまま、この危機を乗り越えられるのか。
  • 防衛費を米国兵器購入に注ぎ続けることが「防衛」なのか。
  • 帝国が衰退する今、日本はいつまで属国であり続けるのか。

 レイ・ダリオが指摘する覇権国の衰退サイクル、「軍事力を公共財として提供できなくなり、同盟国が安全保障を得られなくなりながらも依存構造から抜け出せない」。日本は今まさにその渦中にいる。問題は構造だけではない。その構造に正面から向き合える政治指導者が、今の日本に存在するかどうかだ。そして、その答えが現状では極めて悲観的であることが、日本の真の悲劇である。

 

では、また!