こんにちは、ないとめあです。
今日もブログにお越しいただきありがとうございます。
今、世界は歴史的な転換点にある。ホルムズ海峡を巡る情勢は急速に悪化しており、日本にとって他人事では済まされない段階に突入している。
■ ハメネイ死亡し交渉相手が消えた
2月28日、米国とイスラエルによる大規模軍事作戦により、イランのハメネイ最高指導者が死亡した。革命防衛隊司令官、参謀総長、国防軍需相らも同時に死亡が伝えられており、イランの指揮系統は事実上崩壊した状態にある。イラン国営メディアもハメネイ師の死亡を確認している。
(出典:時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026030100237&g=int)
(出典:Bloomberg https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-28/SY1CXIDWLU6800)
(出典:Arab News Japan https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_170383/)
ここで最も深刻な問題が生じている。イラン革命防衛隊(IRGC)の各部隊が、中央の統制を離れスタンドアローン(独自行動)状態に入っている可能性が高いのだ(推論です)。これが何を意味するか。交渉相手が存在しないということだ。仮に誰かと停戦合意に至っても、現場の部隊がそれに従う保証はない。革命防衛隊はホルムズ海峡での高速艇によるスウォーム攻撃・弾道ミサイルを各自の判断で運用できる。ベトナム戦争では少なくとも交渉相手は存在した。今回はその前提すら崩れている。
なお、IRGCはホルムズ海峡を通過しようとする船舶を「燃やす」と警告しており、商業航行は実質的に停止状態にある。
(出典:Trading Economics https://jp.tradingeconomics.com/commodity/crude-oil)
■ アメリカは「勝てない」戦争をしている
米軍の圧倒的な軍事力をもってしても、この戦争には構造的な限界がある。
第一に、地上軍の投入は政治的に不可能だ。イラク・アフガニスタンの失敗が米国民に深く刻まれており、大規模な地上作戦への世論の拒否感は現実的に強い。
第二に、航空戦力だけではイランを制圧できない。軍事施設は地下深くに分散配置されており、空爆の効果には根本的な限界がある。破壊しても再建・移動が可能であり、第二次世界大戦時のような無差別爆撃を用いない限り、決定的な勝利はありえない。
この構図はベトナム戦争と本質的に同じだ。非対称兵器による消耗戦で、米国は戦争を継続できなくなり、最終的に撤退を選ぶ可能性が高い。しかしホルムズ海峡はベトナムと異なり、世界のエネルギー供給の要衝である。撤退した場合の代償は計り知れない(撤退シナリオは推論です)。
■ アメリカの出口戦略「自国のタンカーは自国で守れ」
消耗戦に苦慮する米国が取りうる出口戦略として、最も現実的なのが受益国への負担転嫁だ。「ホルムズ海峡の恩恵を受けているのはお前たちだ。自国のタンカーは自国で守れ」という論理である(推論です)。
実際、米国自身はシェール革命以降、中東原油への依存度が大幅に低下している。一方、日本は原油の約90%を中東に依存している。つまり最も困る国が、最も強く貢献を求められるという構図になる。
高市政権は防衛費のGDP比2%への引き上げを前倒しで達成し、日米同盟の強化を最優先に掲げている。
(出典:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA237DV0T21C25A0000000/)
(出典:Bloomberg https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-26/T7QZDWKJH6V400)
米国からの圧力と政権の方向性が合致したとき、自衛隊の派遣という選択肢が現実のものとなりうる(推論です)。
■ 260日の備蓄、この時間をどう使うか
日本の石油備蓄は約260日分ある。これは唯一の救いだ。即座の経済崩壊は避けられる。しかし260日は約9ヶ月であり、決して長くはない。この時間内に日本が取るべき現実的な対応として、最も有効なのは原発の再稼働加速だと考える。高市首相は施政方針演説で「原子力規制委員会により安全性が確認された原子炉の再稼働加速に向け、官民を挙げて取り組む」と明言している。さらに次世代革新炉の開発・設置についても具体化を進める方針を示した。
(出典:首相官邸 施政方針演説全文 https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/0220shiseihoshin.html)
原発の燃料であるウランはカナダ・オーストラリア・カザフスタンから調達可能であり、ホルムズ海峡に依存しない。既存インフラを活用するため建設期間も不要だ。今回の危機はその政治的後押しになりうる。
■ 日経平均、市場はまだ現実を織り込んでいない
本日(3月6日)の日経平均は55,620円で引けた。WTI原油先物はここ数日で急騰しており、3月3日時点でブレント原油が2024年7月以来の高値水準に達した。イラクのルマイラ油田が生産停止となり、西クルナ2油田でも日量45万バレルの生産削減が行われた。
(出典:Bloomberg https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-03/TBBMA5KJH6V400)
しかし率直に言って、この価格水準は現実を十分に織り込んでいないと思われる。市場はまだ「一時的な混乱」として楽観視している可能性が高い。封鎖が長期化すれば原油が100ドルに向けてじわじわ上昇していくシナリオは十分ありえる(推論)。
ここで日本にとって致命的なのが円安との組み合わせだ。ウクライナ戦争が始まった時は比較的円高であったため、輸入インフレに一定の耐性があった。しかし、今回は極端な円安の状況にある。原油はドル建てのため、円安だと輸入コストが掛け算で膨らむ。すでに高インフレが進行中の状態にさらなる物価上昇が重なれば、家計・企業への打撃はウクライナ戦争時とは比較にならない規模になりうる。
来週以降、市場がこの現実を本格的に織り込み始めたとき、株価の下落は今週の下落幅を超える可能性がある。これは推論だが、根拠のある推論だと考えている。
■ 日本に残された時間は多くない
状況を整理すると
・ハメネイ師の死亡により交渉相手が事実上存在しない(事実)
・革命防衛隊がスタンドアローン状態で攻撃を継続している可能性が高い(推論)
・米国は地上軍を投入できず、航空戦力だけでは制圧困難(分析)
・ホルムズ海峡の封鎖が長期化するリスクが高い(推論)
・日本は円安・高インフレ・中東依存という三重苦の状態にある(事実)
・備蓄は約260日分しかない(事実)
今、日本に必要なのは楽観論ではなく、現実直視と具体的な行動だ。原発再稼働の加速、エネルギー調達先の多様化、そして省エネの強制、これらを260日以内に最大限進めることがエネルギー不足を緩和する手段ではないのか。
市場と政府が「まだ大丈夫」と思っている間に、時間は確実に減っている。
では、また!




