こんにちは、ないとめあです。
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2026年2月28日(土)、米・イスラエルによるイラン攻撃から一夜明けた3月1日(日)早朝、イラン国営メディアが最高指導者ハメネイ師の死亡を正式に確認しました。これと前後してイランはホルムズ海峡の通航禁止を宣言し、事実上の封鎖状態に入っています。
ハメネイ師の死亡確認
確認されている事実
イラン国営放送IRIBは3月1日早朝、「イスラム革命の最高指導者ハメネイ師が、米・イスラエルの合同攻撃によって殉教した」と正式に発表しました。イランは40日間の服喪を宣言しています。
ハメネイ師(享年86歳)は1989年以来36年間にわたり最高指導者として君臨し、軍・司法・メディア・革命防衛隊(IRGC)のすべてを統括してきました。今回の攻撃では、IRGC司令官モハンマド・パクプール、国防相アミール・ナシルザデ、ハメネイ師顧問アリ・シャムハニ、軍参謀総長モハンマド・バゲリも含む上級幹部7名が同時に死亡しています。
娘・婿・孫も今回の攻撃で亡くなったと報道されています。イスラエル軍は今回の作戦で500か所以上の標的を攻撃、24の州に及ぶ過去最大規模の軍事行動でした。
後継者問題と権力の空白
イランの憲法では、最高指導者が死亡した場合、「専門家会議(88名のイスラム聖職者で構成)」が次の最高指導者を選出するまでの間、大統領・司法長官・護憲評議会の法学者による3人の暫定評議会が権限を担うことになっています。しかし、今回は指揮命令系統の上層部が壊滅的に損傷しており、誰が実質的に国を統制しているのかが極めて不透明な状況です。米国務長官マルコ・ルビオ氏はかつて「ハメネイ師がいなくなった後、誰が後継者になるか、誰も知らない」と明言していました。
生存が確認されている有力者として、イランの最高安全保障評議会議長で元国会議長のアリ・ラリジャニ氏の名が挙がっています。しかし政権の継続性が担保されるかは依然として不透明です。
ホルムズ海峡の「事実上の封鎖」
現在起きていること
イラン革命防衛隊(IRGC)は船舶向けの海上無線放送で「ホルムズ海峡の通航禁止」を宣言しました。EU海軍ミッションの当局者もロイターに対し、IIRCからの警告無線を確認したと述べています。
これを受けて、複数の石油会社・貿易会社が海峡経由の原油・燃料輸送を停止。Bloombergの船舶追跡データでは、タンカーが海峡入口付近で滞留・迂回しており、事実上の封鎖状態に入っています。
イランはホルムズ海峡の通航を「正式に全面封鎖」と宣言したわけではなく、現時点ではIRGCの無線宣言による事実上の封鎖です。ただし、複数の石油会社・タンカー保険会社が通航を中止・保険引き受けを拒否している以上、実態として市場は「封鎖」として扱い始めています。
ホルムズ海峡とは何か ── 数字で見るその重要性
ホルムズ海峡は幅わずか約54kmのペルシャ湾の出口で、以下のエネルギーが毎日通過しています。
- 世界の原油供給量の約20%(日量約1,700万〜2,000万バレル)
- 世界のLNG輸出量の約20%(主にカタール産)
- サウジアラビア・イラク・UAE・クウェート・イラン・カタールの輸出の大部分
- 中国の原油輸入の約50%、日本・韓国・インドの大部分もここを通過
代替ルートとしてサウジアラビアのEast-Westパイプライン(日量500万バレル)とUAEのパイプライン(日量150万バレル)が存在しますが、合計でも日量約350万バレル分にしか過ぎず、封鎖時には通過量の20%未満しか代替できません。
原油・金融市場への影響(以下は予測・仮説)
各シナリオは、いずれも予測・仮説であり、戦況次第で大きく変わります。
封鎖が短期・部分的な場合:$80〜$100/バレル程度
封鎖が長期・実効的な場合:$120〜$150/バレル(JPモルガン試算)
封鎖+湾岸産油国施設攻撃の場合:$130〜$200/バレルも視野(Substack分析)
攻撃前夜のブレント原油は$72.48、WTIは$67.02。ここから70%以上の上昇という計算です。Rapidan EnergyのBob McNally元ホワイトハウス・エネルギー顧問は「ホルムズ封鎖の長期化は確実に世界的不況を招く」と断言しています。
日本株への影響(予測)
日本は中東からの石油・LNG依存度が極めて高く、ホルムズ封鎖の直撃を受けます。
- 日経平均:寄り付きから2,000〜3,000円規模の急落も視野(仮説)
- 航空・化学・物流・海運セクターへの直接打撃
- 円高(リスクオフ)で輸出株にも同時打撃(従来は有事の円買いだったが、今は違う可能性が高く、円安がすごい勢いで進行する可能性があります)
- エネルギーコスト急騰で企業収益を直撃
- 商船三井・日本郵船・川崎汽船は既に航行停止中
米国株・世界市場への影響(予測)
- ダウ・S&P500:続落。Natixisは「月曜の寄り付きは1〜2%以上の下落」と予測
- エネルギー株(XOM・CVX等)は逆行高となる見込み
- 航空株(AAL・DAL・UAL)はさらに売り込まれる見込み
- インフレ再燃 → FRBの利下げ期待消滅 → 株にさらに売り圧力
- 封鎖30日以上の継続で世界的景気後退確率75%超との試算も(Substack分析)
🟢 逃避先資産(予測)
- 金(ゴールド):2026年に入り既に+22%上昇。有事の買いでさらに急騰へ
- 米国債:安全資産として買われ、利回り低下
- 円・スイスフラン:リスクオフで買い強まる(円は?)
- ビットコイン:「有事の安全資産」とはならず。直近2ヶ月で25%以上下落
歴史との比較 ── どれほどの規模の衝撃か
過去のオイルショックと比較すると、ホルムズ封鎖がいかに異次元の衝撃かが分かります。
- 1973年アラブ石油禁輸:世界供給の約7%(日量約440万バレル)喪失 → 油価が$3から$12へ300%上昇
- 1979年イラン革命:世界供給の約4%喪失 → 油価が2倍以上に
- 2022年ロシア・ウクライナ戦争:世界供給の約1〜2%喪失 → 油価が一時$130台
- ホルムズ全面封鎖(今回のシナリオ):世界供給の約20%喪失。1973年の禁輸の4倍規模のショック
※過去の供給ショックでは「供給量の減少率の約30倍」が価格に転嫁されるとの分析もあります(Bloomberg Economics)。
今後の注視点
「事実上の封鎖」が本当に長期化するのか、あるいは米海軍の力による開通・イラン指揮系統の混乱で短期に終わるのか。これが市場の方向性を完全に決定します。
ハメネイ師亡き後のIRGCと暫定評議会の動向。「戦争継続」か「停戦交渉」かを誰が決定するのか。ラリジャニ氏ら生存した幹部の動向が鍵。
中国は原油輸入の50%をホルムズに依存しており、封鎖は中国にとっても死活問題。中国がイランへの外交的自制圧力をかけるかどうか。
トランプ政権がSPR放出を決断した場合、原油急騰を一定程度抑制できる可能性。ClearView Energy PartnersのKevin Book氏はこの可能性を指摘しています。
まとめ
ハメネイ師の死亡とホルムズ海峡の事実上の封鎖という「二重の最悪シナリオ」が現実になりつつあります。
1973年のオイルショック(世界供給の7%喪失で油価3倍)と比較しても、ホルムズ全面封鎖(世界供給の20%喪失)は文字通り史上最大規模のエネルギーショックとなる可能性があります。
月曜日からの市場は「もう一段の現実直視」が来る可能性が高いと判断しています。サンデーダウの半値戻しは、この現実をまだ十分には織り込んでいません。
ただし、封鎖が「短期・部分的」で終われば市場はV字回復もあり得ます。引き続き、ホルムズの実態・IRGCの指揮系統・中国の外交圧力の3点を最重要の注視ポイントとして見続けることが不可欠です。(本段落はすべて予測・仮説です)
📎 参考ソース・出典一覧
Axios「Iranian state media confirms Supreme Leader Khamenei is dead」(2026年2月28日)
※トランプのTruth Social投稿、ハメネイ師死亡後の権力構造・後継問題の分析の出典
https://www.axios.com/2026/02/28/iran-khamenei-killed-israel
Al Jazeera「Iran confirms Supreme Leader Ali Khamenei dead after US-Israeli attacks」(2026年2月28日)
※イラン国営放送による死亡確認、40日間服喪宣言、学校への攻撃情報の出典
https://www.aljazeera.com/news/2026/2/28/irans-supreme-leader-ali-khamenei-killed-in-us-israeli-attacks-reports
Bloomberg「Ayatollah Ali Khamenei, Iran's Supreme Leader, Killed in US-Israel Strikes」(2026年3月1日)
※ハメネイ師の死亡確認、86歳、国営メディアの発表内容の出典
https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-02-28/ali-khamenei-iran-s-supreme-leader-killed-in-us-israel-strikes
CNN「What we know about the death of Iranian supreme leader Khamenei」(2026年2月28日)
※暫定3人評議会の憲法規定、ルビオ国務長官「後継者は誰も知らない」発言の出典
https://edition.cnn.com/2026/02/28/middleeast/ayatollah-khamenei-iran-killed-airstrike-intl-latam
Jerusalem Post「Iranian officials, including Khamenei, killed in Israeli strikes」(2026年3月1日)
※IDF報道官による上級幹部5名の死亡確認、パクプール・ナシルザデ・シャムハニ・バゲリ各氏の死亡の出典
https://www.jpost.com/israel-news/article-888248
Al Arabiya / Reuters「Iranian Supreme Leader Ali Khamenei killed in airstrikes」(2026年3月1日)
※ハメネイ師の娘・婿・孫の死亡報告、イランの反撃でバーレーン・カタール・UAE等への攻撃情報の出典
https://english.alarabiya.net/News/middle-east/2026/03/01/iran-s-state-tv-confirms-death-of-supreme-leader-ali-khamenei
CNBC Live Updates「Trump, Iran strikes live updates」(2026年2月28日)
※トランプ「爆撃を週内継続」宣言、中東各地の飛行キャンセル状況、ラリジャニ氏の生存情報の出典
https://www.cnbc.com/2026/02/28/trump-iran-strikes-live-updates.html
Bloomberg「Can Iran Close the Strait of Hormuz? Oil Market Impact Explained」(2026年2月28日)
※IRGC無線放送による通航禁止宣言、タンカーの滞留・迂回状況、「事実上の封鎖」の現状記述の出典
https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-02-28/can-iran-close-the-strait-of-hormuz-oil-market-impact-explained
Fox Business「Oil markets on edge as Iran moves to restrict vital Strait of Hormuz」(2026年2月28日)
※EU海軍当局者のロイターへの証言、石油会社の輸送停止情報、「油価$5〜$10急騰」予測の出典
https://www.foxbusiness.com/politics/oil-markets-edge-iran-moves-restrict-vital-strait-hormuz-shipping-lane-report
CNBC「How the attack on Iran could impact the global oil market and economy」(2026年2月28日)
※Bob McNally元ホワイトハウス顧問「ホルムズ封鎖長期化は確実に世界的不況」「母なる入札競争」発言、SPR放出の可能性の出典
https://www.cnbc.com/2026/02/28/iran-us-attack-oil-market-economy.html
Seoul Economic Daily「Strait of Hormuz Closure Could Spike Oil Prices 70%」(2026年2月28日)
※JPモルガン・経済研究機関による「$120〜$130超え」試算、Bloomberg Economics「供給1%減少で油価4%上昇」分析の出典
https://en.sedaily.com/international/2026/02/28/strait-of-hormuz-closure-could-spike-oil-prices-70-percent
Long Yield Substack「The $200 Oil Shock: What Happens If the Strait of Hormuz Closes」(2026年2月28日)
※完全封鎖時の$120〜$200/バレル試算、1973年オイルショックとの比較、「30日以上封鎖で景気後退確率75%超」の出典
https://longyield.substack.com/p/the-200-oil-shock-what-happens-if
では、また!




