こんにちは、ないとめあです。
今日もブログにお越しいただきありがとうございます。
日経平均が最高値を更新し続けています。企業は増配・自社株買いを続けています。しかし、多くの人が違和感を感じています。スーパーの食品は値上がりし、実質賃金は伸び悩み、消費が活発になっている実感はありません。「景気が良い」という感覚とは程遠い。
この「感覚」は間違ってはいません。現在の日本の株高は、教科書的な「需要主導(ディマンド・プル)の経済成長」とは根本的に異なるメカニズムで動いています。
現在の株高を支える3つの要因
現在の日本株上昇には、実体経済とは切り離された3つの要因があります。
① 海外投資家の買い
海外投資家による現物株の買い越しが株価上昇の主因だ。日本株の方向性は海外投資家の動向によるところが大きい状況が続いている。
② 企業の資本効率改善(自社株買い・増配)
東証による「資本コストや株価を意識した経営」の要請を受け、事業法人による自社株買いが長期にわたり継続している。これは企業の「実体的な成長」ではなく、資本の使い方の改善であることに注意が必要だ。
③ 円安による業績の底上げ
輸出企業の円換算での利益が膨らんでおり、企業業績を実態以上に良く見せている側面がある。円安が終わった瞬間に逆回転するリスクを内包している。
高市政権という「第四の要因」
これらに加えて、現在の株高には見落とせない要因があります。高市政権の財政出動期待です。高市首相は「責任ある積極財政」を基本方針として掲げ、21.3兆円規模の経済対策を打ち出しました。自民党が衆院選で単独316議席という戦後最多の議席を獲得したことで、政権基盤は盤石となり、この期待はさらに強化されています。
つまり4つの要因すべてが、実需の回復とは切り離されたところで株価を支えています。
「全員買い」という構造の危うさ
アベノミクスの初期は「海外投資家が買い、国内個人・金融機関が売る」という構造でした。海外投資家が撤退しても、国内の売り圧力は既に消化済みというクッションがありました。現在は異なります。海外投資家も、個人も、事業法人も、同じ方向(買い)に傾いています。NISAの普及が「積立買い」の裾野を広げた一方で、個人の逆張り買いというクッションを薄めた可能性があります。
| アベノミクス期 | 現在 | |
|---|---|---|
| 海外投資家 | 買い | 買い |
| 個人投資家 | 売り(逆張り) | 買いへ転換 |
| 事業法人(自社株買い) | 増加傾向 | さらに加速 |
| 急落時のクッション | 個人の逆張りが緩衝 | 緩衝材が薄い |
「期待が剥落する」とき何が起きるか
最初の「答え合わせ」は2026年夏
補正予算執行の効果が数字として出る最初のタイミングは、2026年前半のGDP速報です。財政出動が実際に消費・投資を増やしたか、それとも一過性にとどまったかが明らかになります。プロの市場参加者はすでに「期待を織り込み済み」とみており、実績が期待に届かなかっただけで調整が始まる非対称なリスクがあります。
連鎖のメカニズム(推論)
第一段階:海外投資家が最初に売りに転じる。
第二段階:国内に受け止める買い手がおらず、下落が加速する。信用買い残の強制決済(追証)連鎖とアルゴリズム取引の自動売りが重なる。
第三段階:ここで従来の分析と決定的に異なる局面に入る。それが次章で説明する「円の問題」だ。
円の「安全資産」神話の崩壊
かつて日本株が急落すると「円高」になるとされていました。リスクオフ局面では円に資金が逃げ込む——これが常識でした。しかし現在、この前提が揺らいでいます。2025年には「ドル安下での円安」という珍しい現象が起きました。世界的なドル売りが続く局面でも、円はドルと一緒に売られていました。背景には複数の構造変化があります。
📌 高市政権の財政拡張リスク:大規模な国債発行が通貨価値を減価させる要因になる
📌 NISAによる構造的な円売り圧力:2024年だけで28兆円の外貨建て投資の買い越しが発生
📌 貿易赤字の常態化:東日本大震災以降、30年続いた貿易黒字が恒常的な赤字に転化
📌 地政学的リスク:北朝鮮・中国との緊張関係、米国との一蓮托生リスク
トリプル安という可能性...
円の安全資産性が崩れているとすれば、期待剥落後のシナリオは書き直されます。かつては「株安→円高」という緩衝機能がありましたが、現在はそれが機能しない可能性があります。
【期待剥落後の連鎖シナリオ(推論)】
期待の剥落
↓
海外投資家が売り(円に戻さずドルへ)
↓
株安・円安の同時進行
↓
輸入インフレ再燃 → 実質賃金低下 → 消費冷え込み
↓
日銀の板挟み:利上げすれば財政悪化、しなければ円安加速
↓
どちらを選んでも長期金利に上昇圧力
↓
信用買い残の強制決済連鎖・銀行の国債含み損顕在化
↓
「株安・円安・債券安(金利高)」
トリプル安の本格化
さらに深刻なのは、「下げ止まり機能」が四重に失われている点だ(推論)。
❌ 株が下がっても円高にならない → 輸入インフレが収まらない
❌ 個人は買いポジション → 逆張りの買い支えが薄い
❌ 政府は財政拡張中 → 追加の景気対策余地が限られる
❌ 日銀はインフレと景気悪化の板挟み → 機動的に動けない
注目すべき検証ポイント
| 時期 | 何が分かるか |
|---|---|
| 2026年夏 | 1〜3月期GDP速報。財政出動が消費に届いたか最初の答え合わせ |
| 2026年通年 | 日銀の利上げ判断。財政拡張との矛盾が表面化するか |
| 2026年度末〜 | 実質賃金の持続的上昇の有無。ディマンド・プルへの転換確認 |
| 随時 | 円の動向。株急落時に円高になるかどうかが、安全資産性崩壊の度合いを測る指標 |
「不気味さ」を感じる直感は正しい。ただしその不気味さの正体を正確に理解することが、適切な判断の前提となります。
では、また!




