こんにちは、ないとめあです。
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「実質金利がマイナス(インフレ率 > 名目金利)」という、本来であれば企業がこぞって金を借りて投資すべき絶好の環境であるにもかかわらず、設備投資が伸び悩んでいる事実は、「国内市場に成長の期待(需要)がない」という判断を企業が下していることを示唆しています。
この状況を踏まえ、政府支出の有効性とリスクについて、具体的な数字と事実から整理します。
日本の「需要」の現状:需給ギャップの推移
日本銀行や内閣府が算出する「需給ギャップ(GDPギャップ)」を見ると、日本経済の実像が見えてきます。直近のデータは、内閣府の推計(2024年7-9月期)では、需給ギャップは▲0.2%(約1兆円の需要不足)とされています。
企業の判断は、2024年12月の「日銀短観」によれば、大企業・製造業の設備投資計画は前年度比+16.0%と数字上は高いですが、その多くは老朽化対策や省力化(人手不足対策)であり、新たな市場を創出する「攻めの投資」は限定的です。
ソース:日本銀行「第201回全国企業短期経済観測調査」(2024年12月)
企業の内部留保(利益剰余金)は2023年度末で約600兆円(法人企業統計)に達しており、資金はあるが使い道がない(投資先がない)状態が続いています。
政府支出が「経済を良くする」かどうかの分岐点
高市政権が進めようとする積極財政が「無駄なバラマキ」に終わるか、それとも「経済を良くする」かは、支出の「質」にかかっています。
悲観的見方としては、国内の人口減少や生産性の低さを放置したまま、単に公共事業や給付金を増やしても、それは一時的な需要の穴埋めに過ぎません。結果として、産業構造は変わらず、政府債務だけが増え、通貨価値(円)が下落する「悪いインフレ」を招くリスクが高まります。
積極財政派のロジックは、「企業が投資しないのは、将来の需要に確信が持てないからだ」と考えます。政府が「防衛、GX(脱炭素)、半導体」などの分野に巨額の支出を長期・継続的に約束することで、民間の呼び水(クラウドイン投資)となり、供給力を底上げして経済成長(名目GDP増)を目指すというシナリオです。
「お金じゃぶじゃぶ」による副作用のリスク
実質金利マイナスの状態で政府がさらに支出を増やす場合、クラウディングアウトリスクが顕在化します。 政府が国債を大量発行して資金を吸い上げることで、長期金利が上昇し、数少ない民間の住宅ローンや投資を圧迫するのです。
円安が加速します。他国が引き締め(利上げ)を行う中で、日本だけが財政拡大と緩和的環境を続ければ、日米金利差などから円売りが加速し、輸入コスト増によるインフレ(コストプッシュ)がさらに悪化します。
積極財政の結果
「本来の需要(成長への期待)がない」という構造的な問題がある中で、単なる支出増は「穴を掘って埋める」ような非効率なものになりやすく、インフレだけを助長する危険性があります。
高市政権の提唱する政策が失敗を避けるためには、単なる「支出の量」ではなく、それが「日本の潜在成長率(供給力)を本当に引き上げる投資なのか」というシビアな選別が不可欠です。
では、また!




