『ハケの小径』を下ると、昔の趣を残す茅葺屋根が見えてきます。
甲州街道沿いの谷保村・青柳村・石田新田が合併し、国立市となりました。青柳村は、「新編武蔵風土記稿」に寄れば、寛文十一年(一六七一)年に多摩川の対岸から移住してきた人々が開拓した地だということです。
この古民家は、江戸時代から青柳(旧青柳村)にあった農家を移築し、復元したもの。
建築年代を確定する資料はないそうですが、解体検査の結果では、江戸時代後期に建てられたものだとのことですので、土方歳三もこれと同じような形式の家屋に立ち入ったり、ここにあるような風景を見たことがあったかもしれません。
この柳澤家は、屋号を『たくあん屋』といって、明治から昭和初期にかけては、養蚕とともに漬物業も営んでいたそうです。
時代は少しズレますが、『沢庵』といえば土方歳三の好物だというのが定説で、こんなエピソードを思い出す方も多いのではないのでしょうか。
『歳三の大好物
小野路村(東京都町田市)の橋本道助家に、土方歳三はよく遊びに来た。歳三の大好物は沢庵漬であった。橋本家の沢庵漬は、大変味がよくできていた。
歳三は、橋本家に来ると食事のおかずは、きまって沢庵漬を山のように皿に盛ったのを、ポリポリ、パリパリ、音をたてて食べるのが好きだった。
あるとき、歳三は橋本家の沢庵漬が大いに気に入って、土産に一樽担いで帰ったという。
「新選組余話」小島政孝著(小島資料館刊行)より』
『国立市古民家(旧柳澤家住宅)』
住所:国立市谷保1705-1
TEL:042-575-3300
URL:http://www.kuzaidan.com/province/index.html
定休日:第2・4木曜日(祝日の場合は開館し、翌日を休館)年末年始
営業時間:午前10時~午後4時
参考HP:『タチカワオンライン』