徒然探訪・土方歳三の足跡を辿る・番外ー宇都宮城址②ー | 徒然探訪録

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 『「秋月君、あなたは宇都宮を御存じか」
 と歳三はいった。

 秋月は会津藩士だけに、かつての新選組副長をひどく尊敬している。

 「行ったことがありますが、まさか戸田土佐守七万七千石の城下を攻めるつもりで行ったわけではないから、よく覚えていませんな」

  歳三もめずらしく笑い、
 
 「私は講釈の宇都宮釣り天井で知っている程度です」
 といった。

  『燃えよ剣(下)』司馬遼太郎著(新潮文庫)より』



釣り天井:『釣天井事件』のこと。宇都宮城主、本田正純が日光から帰る将軍をからくり仕掛けの天井をつくって暗殺しようとしたという事件のことですが、史実ではないそう。正純が突然宇都宮城を奪われ、出羽(秋田県)へ流されたことから生まれた創作だということです。その後、講談や芝居のネタとしては恰好のものとされ、全国的にも広まっていきました。



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▲復元された『富士見櫓』。宇都宮城本丸の土塁西部にあった櫓で、まわりに高い建物のなかった江戸時代には、遠く富士山の姿が望めたと考えられ、このように呼ばれていたようです。



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内部はこのようになっています。


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▲狭間から見た景色。城内から矢や鉄砲を放つため、塀・石垣・櫓・天守などに開けられた穴を狭間と呼びます。外から攻撃されにくくするため、また広角に攻撃が出来るように、外側の穴は小さく、内側は大きくとってあるそうです。矢狭間は立って攻撃するので高めの位置で縦長の長方形、鉄砲狭間はしゃがんで攻撃をするので、一段低い位置にあり、形も丸型(丸狭間)、三角型(鎬狭間)、四角型(箱狭間)があります。こちらは低い位置にありますし、鉄砲狭間、丸狭間ということで復元されているのでしょう。



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▲清明台。宇都宮城本丸の土塁北西部にあった櫓ですが、清明台のあった部分の土塁は他の部分よりも高いことから、天守閣の役割を果たしていたと考えられています。



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▲清明台の内部。

 
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▲清明台のあるあたりの土塁から見た景色。


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▲清明台の鉄砲狭間から見える景色。『PARCO』が見えますでしょうか!?
この先、本丸通り、みはし通りを経た『PARCO』の向かいに、桑名藩兵を従え、土方歳三が布陣したと言われる二荒山神社があるのです。
 

 『宇都宮城址公園』 
  宇都宮市本丸町、旭1丁目地内(宇都宮市役所東側)

  開館時間:櫓(やぐら)などの歴史建築物と展示施設は、午前9時から午後7時まで
        年末年始は休み
  料金:無料
  アクセス:JR宇都宮駅西口バスターミナル38番のりば
       ・関東バス「市内循環線(きぶな)」で「宇都宮城址公園入口」下車
        所要15分、片道150円、20分から30分毎運行
       ・路線バス各社、「馬場町」バス停下車、徒歩10分

  参考HP:『under Zero』
  『新選組史跡踏査』