うな丼発祥の地ー牛久沼ー | 徒然探訪録

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茨城県の龍ヶ崎市と牛久市を結ぶ国道6号線沿い、牛久沼湖畔のあたりは『うなぎ街道』と呼ばれている。

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この周辺には『桑名屋』、『伊勢屋』、『水神屋』、『鶴舞家』、『小名浜屋』、『水山閣』、『寺田屋』とわずか2km弱の間に実に七軒もの老舗が軒を連ねる。

それというのも、ここ、『牛久沼の渡し』がうな丼発祥の地と言われているからだ。

江戸時代に書かれた宮川政運の『俗事百工起源』によれば、うな丼を発明したのは常陸太田市出身の大久保今助という芝居の興行主だと言われている。

江戸時代後期のこと。大久保今助は江戸から故郷に帰る途中、水戸街道を進み、小貝川沿いに牛久沼を北上するルートをとった。この方がそのまま水戸街道を陸路で進むより、時間の短縮になるからだ。ちなみに牛久沼の渡しを使うルートの所要時間は約10分。

今助は牛久沼の渡しで舟を待つ間、茶屋で好物のウナギの蒲焼きとどんぶり飯を所望するも、注文の品が出てきたときにはもう食べる間もなく舟の出航時間になってしまったのだった。しかし、どうしても好物のウナギを諦め切れなかった今助は茶屋から料理の出されたドンブリと皿を借り、ドンブリ飯の上にウナギの蒲焼きがのった皿を逆さにかぶせて舟に乗り込むことにした。

このような形で食さねばならなくなったウナギの味をすっかり諦めていた今助であったが、これが思いのほか旨かった。飯には蒲焼きのたれがよく沁み込んでいたし、肝心のウナギの蒲焼きは飯の温度で程良く蒸されるような格好になってふんわりと柔らかく感じられ、何よりとても美味しく仕上がっていたのである。

6号線沿いにある店は激戦区を勝ち抜いてきた老舗ばかりだから、どこで食べても美味しいのだが、今回は、その中でも地元での人気が高く、リーズナブルに提供してくれる『小名浜屋』にて。

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▲うな丼。¥1680
ウナギの蒲焼きの量が思うより半身多かったのと、お新香の種類が沢山なのが嬉しい。

『小名浜屋』
TEL:0297(66)5836
営業時間:11:00~20:00
定休日:月曜

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▲牛久沼。ブラックバスが釣れるとのことで、木村拓哉を始め、芸能人がお忍びで訪れたこともあるようだ。

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▲この時期にはコスモスが咲き、湖畔の景色に彩りを添えている。


参考HP:『龍ヶ崎市役所公式ホームページ』
参考文献:『茨城県謎解き散歩』(新人物文庫)石塚眞編著