

「財産」
深読み、
しすぎた。
山高きが故に貴からず(やまたかきがゆえにたっとからず):
本当の価値は見かけだけで決まるものではなく、実質が伴ってこそ尊ばれるということのたとえ。山はただ高いから尊いのではなく、木が生い茂っているからこそ尊いのと同じように、人間も外見だけが立派でもそれは尊いとは言えず、実質が外見に伴って始めて価値があるものだという教訓。
注:
親族が集まっても、あまり深入りしないよう、会話に首を突っ込まず控えているものである。ましてや自分の昔話が始まれば、隣の部屋へ逃げ込むものである。そうして、遠巻きに会話を聞いていたところ、「財産だと思っていたものが、今やお荷物になってしまった」という言葉が聞こえてきた。実家に帰った気安さにしても“連れ合い”のことを“お荷物”と言うのは、けしからん。どんな愚痴が始まるのかと聴き耳を立てていたところ、“お荷物”なのは“連れ合い”ではなく、田舎の“土地家屋”だと判明した。人口も減り、家屋は傷み、貸すも売るもできないうえ、跡取り息子は無関心のため、“財産”たるべき不動産が、“お荷物”なのだということだ。とはいえ、“連れ合い=財産”と捉えても、万人に通じるように思われる。手に入れる喜びは大きいが、歳月とともに価値が上昇するとは限らないもんね、…という、家庭内バブルの崩壊。