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TITLE:
おそらく月もそうだろう。
SUBTITLE:
〜 The moon is probably the same.〜
Written by BlueCat

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::ナミアゲハのオスはメスの黄色と黒の縞模様に反応して欲情するが、同様の縞模様をそこらの板に描くだけでうようよと寄ってくるのだ。
 おまえらの脳みそは虫と一緒か? あっ?
 末席とはいえホモサピエンスを名乗るなら知性的に発情しろ! 知性的に!



 

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 100歳にもなったので、もうモテなくなっただろうと思ったのだが、そうでもない。モテる。 
 モテたことのない人、あるいはもっとモテたいと思っている人からすれば羨ましい話なのだろうけれど、もうモテたいとは思っていない人からすればそれは迷惑ですらある。

 たとえばそれは食欲に似ている。
 お腹が空いている人からすれば、もっと食べなさいと料理がテーブルに運ばれるのはたいそう嬉しい状況だろう。
 しかし満腹の人からすれば、そのテーブルからは早く離れたい。
 そういうものではないだろうか。

 無論モテにも色々ある。
 異性をはじめとする「性的な対象」としてのモテもあれば、性的な意味合いを持たない人としてのモテ、人としての意味にさえ限定されない存在(あるいはイキモノ)としてのモテ ── 。
 一般に「モテ」として語られるのは、最初の「性的対象」としてのモテである。下世話なことである。

 

【ケダモノとしてのモテ】

 近年、食事やお酒を愉しんでいる時、誰かの視線を感じることがある。
 理由はわかっている。食事や酒を呑む姿が目につく。気に掛かる。
 よく言えば「サマ」になっているらしい。
 これは10年ほど前、お酒を飲む時に深酒をしないように気をつけ始めたのが発端だ。

 
 味も分からないほど酔っているのに気が大きくなり、勢い任せに盃を重ねた結果、翌日は身体の調子も悪く、財布の中身は存外軽い。
 なのに美味しかったはずの酒の味も香りも思い出せない。そもそも感覚できていないのだ。

 そのような酒の飲み方を心底反省し、味や香りが分からなくなる前に、お開きにするようになった。
 独りで呑むことが多いが、大人数でも同じであるし、もとより味も香りもないような雑な酒を避ける性質でもある。

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 辿ると、子供の頃の躾にルーツがある。
 僕の両親は食事の躾に厳しく、僕ら姉妹は離乳食が終わるとすぐに箸の練習をすることになった。
 乳幼児用のスプーンやフォークなどというものはなかったように思う。
 子供にとって、食卓は少し高い位置にあるので、必ず正座をさせられた。幼児用の椅子などというものはなかった。

 箸のマナーのあらかただけでなく、食卓上の食器の取り回しにもうるさかった。
 食卓に肘をつこうものなら、その肘を払いのけられた。
 およそ3歳にもなると皆、正座で箸を使えるようになり、人前で食事をするにも最低限の嗜みを覚えた。
 そのようなわけで小学生を卒業する頃には煮魚や焼き魚を食べさせれば頭と尻尾と骨と皮の一部だけが綺麗に並び、食後の茶碗に米粒が残ることなどなかった。

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 酒を綺麗に呑むようになったのは、その延長線上である。
 酔って背筋が曲がり、テーブルやカウンターに肘をつくようになったら、もう帰って眠った方がよいという合図だ。
 それが習慣化したので、背筋を伸ばして酒を呑む。曲がるほど身体が重くなる前に帰る。
 僕は酒を神聖なものだと思っているので、可能な限り静かに、時に目を閉じて味わう。

 そのうち食事もそのようになってしまった。
 携帯電話を操作しながら、などというのは今や自宅でもしない(ゲームをしながら食事をすることはある)(行儀が悪い(笑))。
 咀嚼する時は箸を置いて両手を足の上に置き、目を閉じることも多い。
 きちんといただくものに向き合い、きちんと味わう。それだけに集中する。

 そういう姿勢の人が少ないのだろう。
 飲食店で咀嚼後に目を開けると、他者の視線を感じることがある。
 奇異の目の時もあるし、見惚れていることもある。
 目立ちたいわけではないのだが、時に注目されることについては諦めている。

 これもある種のモテである。
 もはや手練手管ではなく、ただ餌食む姿によって官能や感銘を与えるというなら、これはもうケダモノとしても上等の部類になれたのかもしれない。
 そのうちぱやぱや(セックスのことです)している姿が素敵だという理由でモテるようになるかもしれない。
 まさかの100歳にしてAV男優デビューの道……いやさすがにないな。
 

【奇人としてのモテ】

 先日、高校時代の恋人に数十年ぶりに会って話したのだが、どうやら僕は10代の頃からたいそうモテていたらしく、彼女は当時、それによって他の女の子からちょっとした嫌がらせをされるなど少々イヤなこともあったらしい。
 そんなことをするくらい(エネルギーがある)なら、本人にちゃんとアプローチして告白すればいいのにね、というのが共通の結論であり認識。

 おそらくだが僕のような「個性的(要は奇人・変人の部類)」なありように魅力を感じるガールは、存外多かったのだろう。
 知っている範疇でも、僕に恋慕しているガールは数名いた。知らない範囲は知りようがない。
 ただ僕に積極的にアプローチし、近い場所に身を置き、親しくなろうとし、告白した人は彼女以外にいなかった。他は皆、奥手だったのだろう。
 しかしそれは幸いだった。僕は白痴のケダモノだから、おそらくもれなく告白を受け入れてしまい、阿鼻叫喚の地獄絵巻に発展していたと思う。

 そのかつての恋人は当時から美人でエッチで聡明だったのだが、彼女によると当時の僕はフィジカルも非常に女好きのするものであったらしく、色白で肌の質感も非常に綺麗で体毛も薄く、体を重ねる肌の感触が非常によろしかったそうである(あくまで「当時」の話である)。
 よくよく振り返るに私の身体や薄い体臭を好む恋人は多かったし(学生時代は水泳部だったため)他の男の体を見るたび、私も少々異質に感じることがあった。
 女ばかりの姉妹に生まれたためかもしれないが、男たちの毛深くざらざらとした肌の質感は、僕の持つそれとは少し違う気がした。

 

【執着の話】

 その恋人と別れた理由は僕にとってはとてもシンプルなもので、そして他の人にはなかなか理解されないものだった。
 言語化するとこういうことになる。
 人間は関係が深まるといらぬ執着が発生することがあり、いかなる執着も結局はその人の能力や魅力を曇らせ覆い隠すようになる。

 DVやストーカ行為となると犯罪か、犯罪に近しい行為であるが、それ以外にも人間関係には執着が発生しやすい。
 たとえば学童でも、同性の友人にさえ「私以外の〇〇さんと親しくしていた」などという理由で怒り出す子がいる。
 不思議と女性に多い。男性は子供の頃からそのような執着をまずしない。

 これはきっと生殖本能に紐づいたものだろうが、第二次性徴のずっと前からそうした性質が発露しているのは興味深い。

 先に立場を明確にしておくと、僕はいささか古い人間なので男女は公平な方が良いと思うが平等であれなどとは思わない。男と女は成り立ちも役割も違うのだ。

 男たちも大人になるにつれ、妙な執着を示すことがある。
 社会的ステータスを本人が見出した対象(権力や地位や金銭や所有物、およびそれを下支えするリソースなど)が多いか。

 DVやストーカ行為はニュースなどから観察する範囲において(男女問わず)自制の利かない自身の欲と幼児性の発露に思えるが、これも執着である。

 自身の中で、自身の皮の内側でだけこだわっているなら、それはその人の哲学であり価値観であり自由だ。
 しかし自身の皮膚の外にある他者という存在に対して「かくあれかし」と躍起になることは ── つまり執着なのだが ── 多くの人はこれを愛情だと錯誤し容認することも多い。まかり通ってしまうのだ。

 たとえば親が子供に高名な学校に進学してほしいと思い、そのためにあれこれ手を尽くす。
 子供自身が希望していることなら良いことだと思うが、親が望んでいるだけだとすれば余計なお世話の場合もある。
 親が期待することが活力になり、希望を語ることで視野が開けることもあるだろうけれど、そのときのその状況、親子関係が果たしてそうなるかは当人たちにしか分からない。
 親からすればいずれも愛情だろう。
 しかし子供からしたら望んでもいない余計なお世話の可能性があり、その場合は過剰な干渉、つまり単なる親の執着だといえる。

 たとえば恋人なら、長く付き合ううち「私だけを見てほしい」とか「私だけのものでいてほしい」などと世迷言を言うようになることがある。
 しかしこれが僕にはさっぱりワケが分からないのだ。
 たとえば月は美しい(と僕は思っている)が、月に対して「自分だけのものでいてほしい」とか「自分だけを照らしてほしい」などと願う人がいるだろうか。

 月は月であって、僕ではないし、僕の所有物でもない。だから僕のものにはならないし、僕だけを照らすことはできない。当たり前である。
 同様に恋人は恋人であって僕ではないし、僕の所有物でもない。だから僕のものにはならないし僕だけを見ていることなどできない。逆も然り。
 このシンプルな原理が彼女には理解できず、その執着によってもともとの魅力が侵食されてゆき、そのようなわけで僕は彼女を拒絶するようになった。
 好意を持っている相手なら私を恋人として取り扱うことを許せるが、好意を持っていない(魅力を感じない)相手には指一本触れさせるわけにいかないのだ。

 このごく当たり前の「執着が幼稚で醜い」という事実を知らないものが実に多い。
 仮に知っていても「自分のこれは愛情である」とか「自分のこれは世間の常識である」とか「これは絶対必要なこと(考え方)だ」などと逃げて、認めることはないだろう。
 DVやストーカ行為をする人間も、自身のそれは愛情の発露であり、人としての常識に基づいた正しい考え方や行いだ、と考える。結果誰かが傷つくとしてもそれは傷つく相手が悪い。

 こうした執着に囚われる人間を僕は嫌う。恋人だろうと友人だろうと親族だろうと姉妹だろうとそれは変わらない。
 何となれば学校の教師や会社の同僚にさえ、こうした狂った価値観(執着)を押し付ける者はいる。
 介護を受けている人間が、介護されることに執着することもある。生きている限り人間は執着しかねないし、そういう奴ほど己の執着を自認しない。
 涼しい顔をして「人たるもの……」なんて説教垂れるわけである ── 俺は猫だぞ。

 自分の皮膚の外にある人、およびその所有物は、自分のものではない。
 だから他人の携帯電話を勝手に覗き見たり、損壊したり、妹とおそろいで大切にしていたぬいぐるみや友人との手紙を(勝手に読んだ挙句)捨てさせたり、預金通帳や郵便物を勝手に覗き見たり、支給される年金を(勝手に)計算してケチをつけるような奴はイカれている。違うだろうか。
(ちなみにこれらはまぁ、個人的な被害(笑)の羅列ですから、これはこれで私の執着でしょうかね)

>>>

 親しい関係になる時、相手はたいてい魅力的であり、あるいは少なくとも好感を持てるものなのだ。
 しかし関係が深まるにつれ、執着が生まれる人もいる(中にはかなり早い段階でそれら執着を発露する者もおり、当たり前のようにそれを愛情と履き違えている)。
 そして執着することが当たり前の人たちからすれば、僕がそれを理解しないほうがおかしいということになり、話は平行線を辿る。

 友情に結託を求め、恋人に貞操を求め、伴侶に終生の保障を求め、子供に今際の始末を求め、神には救いを求める ── 。
 生存本能/遺伝子保存の本能としては適切な働きなのだろう。
 親に愛情を求めたことにはじまる生存の執着が、愛情の名だけを残して変貌してゆく。
 友人に結託を強要し、恋人に貞操を強要し、伴侶に終生の保障を強要し、子供に今際の始末を強要し ── やがて神はおろか猫にまで己のエゴを強要するのか。

 人間が生きることは記憶を重ねることで、記憶を重ねることは価値観を作ることで、価値観は時に欲と化合して醜い執着に変わる。
 執着は必ず醜く、その人の魅力を侵食してゆく。
 
 孤独なる白痴のケダモノに回帰しようなどという世迷言もまた、私のアンチ執着という執着ではあるだろう。
 これは愛などではなく、憎悪に等しい執着だ。
 よいさ。
 血みどろになるまで忌み潰すにあたり魅力程度の安い代償で済むならば。この身のすべてくれてやる。
 
<観察者>
 

【不肖の不詳】

 そんなことより恋人と再び会うことになったのが、当時所属していた団体のOBの定期的な飲み会だったのだが、どうも一年下の後輩どもも学生時代から僕のことを慕っているらしい(僕はまったく興味がないので今まで一度も参加しなかったがTUに誘われ初めて出かけた)(確かにものすごい歓声に迎えられて困惑した)(当然だが異性として慕われているのではない、と思う)(なぜこんなことを書くかというと一年後輩は全員女性なのだ)。
 2次会から参加した一部の人間は僕が1次会の後、当たり前に姿を消したことについて不満たらたらだったという。

 分からない。
 私に魅力を感じる連中は、私にどんな魅力を見出しているのかがまったく分からない。
 おそらく月もそうだろう。


 
 


 

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::いくら先輩でも言い過ぎですよ! 結局何が言いたいんですか?
::今言ったことを久慈先生にそれとなく伝えてほしい ── 巨乳よりも普通サイズの胸を求めるのが生物学的な正解なのだと……あっ。私が言ってたとかは言うなよ?



 

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[出典]
~ List of Cite ~
 文頭・文末の引用は、
「超正常刺激」From「あくまでクジャクの話です。(第3巻)」
(著作:小出 もと貴 / 発行:講談社)
 によりました。
 
 

 
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[NEXUS]
~ Junction Box ~
 
// ----- >>* Tag Division *<< //
[Engineer]
  :青猫α:黒猫:赤猫:
 
[InterMethod]
  -Algorithm-Diary-Ecology-Engineering-Form-Link-Love-Mechanics-Moon-Recollect-Stand_Alone-
 
[Module]
  -Breaker-Condencer-Connector-Generator-Reactor-Resistor-
 
[Object]
  -Friend-Human-Koban-Memory-Night-
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[Cat-Ego-Lies]
  :衛星軌道でランデヴー:
:君は首輪で繋がれて:
:夢見の猫の額の奥に:
 
 
 
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