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TITLE:
コミュニケーション・キャパシティ。
Written by BlueCat
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昔から、電話が苦手である。嫌いと言ってもいい。
なぜといって、電話は暴力的である。
こちらの状況に対して、まったくお構いなしに掛かってきて、作業や思考や睡眠を、音や振動によって妨害する。
受電したら受電したで、今度はいつ終わると決まっているわけでもない会話に付き合う必要がある。
すぐ終わるものならまだ良い。ついでに要件が明確ならなお良い。
そういう意味で、仕事の電話は比較的気軽に受けられるようにもなった。が、今の僕は無職だ。
プライベートだとしても「話を聞いて」とか「愚痴なんだけど」とか、そういうお断りが最初にあれば、容易に心構えができる。
想い人なら要件が不明であっても、20分程度までは嬉しく感じることさえある。
それでも電話は暴力的だと感じる。
携帯電話の普及に伴い「今、通話は問題ありませんか」と確認するのが一応のマナーになってはいるが、固定電話しかなかった時代に、会社組織の「3コール以内に受電する」というルールを厳守していたり、それに慣れきっていた人間は、すぐに出なかったり、後から折り返すと文句を言われることがある。
これはたとえば道を歩いていて、いきなり知らない人に殴られた挙げ句「どこ見て歩いているんだ」と罵声を浴びるようなものだと感じる。
こちらはこちらの都合で歩いていて、ついでに道路でいきなり殴る方がおかしいと思うのだけれど、電話についてはその暴力性を感じない人も多いようなので、仕方ないと思って長らく我慢していた。
受電する側になるのが苦痛であれば、同じ価値観によって、他人に架電するのも苦痛だった。
業務上必要であるにせよ、上記の価値観を持つ僕からすれば、その人それぞれの理由や都合で歩いている人を路上でいきなり殴るような行為に感じられていたからだ。
はっきり言って通り魔に等しい。
なので営業職に就いて2年近くは ── すでに会社員としての経験は5年以上過ぎていたのに ── 電話のやり取りだけでずいぶんと心を削られた。
それでもやがて見ず知らずの人にいきなり電話を掛けたり、突然訪問できるようになったのは「まったく気にならない」という人たちの価値観を学んで、それをもとに一定の出力ができる人格を構築したからである。おかげで仕事はずいぶんしやすくなった。今は無職だがな。
最終的には365日、24時間、会社からの電話をきっちりと(なぜか僕の電話に)転送されることになってしまったので、慣れていなかったら大変なことになっていたと思う。
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古くからの友人であるTUは、僕のこうした現象について「青猫のコミュニケーション・キャパシティはめんどくさい」と評している。
特定の個人に対して一定以上の濃度でコミュニケーションが続くと、コップに水を溜めるようにストレスが蓄積し、ひとたび溢れようものなら当面はその個人に対して拒絶反応を示す。
しかもそのコップのサイズは一定ではなく、相手ごと、その日の気分や体調でも異なり、他の人のコップのキャパが溢れそうになっていることで「とばっちり」を受けることもあるらしい。
べつに暴力を振るうわけではないのだが、おそらく機嫌や態度が悪い ──塞ぐ傾向は自覚しているので、外部からはそのように観察される ── のだろうと想像する。
ために会話をしながら、そうしたコンディションを探る必要があり、それは僕の持つ面倒くささのひとつらしい。
対処法は、しばらく放置しておくこと。
僕は自分のことなので面倒だとは感じないし、他人の多くは僕からのコミュニケーションを喜ぶ傾向にある ── そもそも僕から連絡すること自体かなりレアケースな ── ので気にしていないが。
ただ僕の微かな声や表情を見逃さない人が多いことについて、僕自身はそうした人々の気遣いに驚嘆しつつ感謝している。
孤独の羊水の中で勝手に回復するイキモノにあって、外力は傷に障る。
もちろんそうでない人が多いのも知っているが、果たして自力ではなく他力で回復するイキモノなどいるのだろうか。
それでも上述のTUや(別の旧い友人である)BPは、基本的にいきなり電話を掛けてくる。弟子も姉もそうである。
なので僕は昼寝に忙しかったり、ゲームで手を離せないときや単に気乗りしないとき、電話を無視する。
彼らはそれについて承知の上で電話をしてくる。もはやストーカ扱いしても差し支えあるまい。
妹と恋人だけは例外的に、必ず「電話しても大丈夫?」とメールしてくる。
すぐに、という場合もあれば「明日の14時頃、平気?」と予約されることもある。
「今すぐ」というリクエストに即応できない場合、メールをスルーすることになるので電話をしないことになるが、それはそれで許されている。
おそらく妹の場合は、僕が長い間そのように確認していたため、そのルールに合わせてくれているものと思う。あるいは妹も電話嫌いなのかもしれない。
恋人の場合も、そういう人が淘汰されているものと思う。
結果として、数年メールをしないとか、数年電話もしないとか、数年デートもしていないとか、もはや自然消滅したと言われたところで否定できない状況が発生する。
果たして本当に恋人と呼んでもいいのだろうか。
しかし単なる友人ではなさそうだし、知り合いというほど浅い関係ではなかったような気もする。
いやそれともかつて肌を重ねたというだけで、今は他人なのだろうか。
そんなふうに考えてしまうから、こちらからは滅多なことでは連絡することができない。
すると不意にメールが来たりする。突然、一緒にお風呂に入ろうよぅ。と誘われたりする。
関係性が分からないのだが、そもそも互いの関係に名称や区分を必要としない者同士なのだろうと分析している。
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いずれにしても、ただの知り合いからのメールや電話なんて、僕だったらそれこそ無視することさえ煩わしい。
そういうことも相まって、連絡しづらいのではある。
ほとんどの用件は一人で済んでしまうし、他人の趣味なんて(恋人であっても)まったく分からないし、外食も物見遊山もそれをきちんと味わおうと思えば、一人の方が良い。
自分以外の人間がいれば、それがどれほど近しい間柄であっても気を遣う。気を遣えば、そのぶん気が散ってしまう。
ついでに僕は(人からすると異様なくらい)孤独に耐性がある。
むしろ一定期間で例の「めんどくさいコミュニケーション・キャパシティ」が溢れてしまって、誰かと言葉を交わすことさえ苦痛になってしまう。
ために誰か(友人であれ恋人であれ)と何か(食事だろうと、ただの茶飲み話だろうと、セックスだろうと)をするのは、その人と、それをしたいから、という理由の時だけなのだけれど、まぁこういうのは分からない人には分からないのかもしれない。
ゲームをしながら食事をすると両方がおろそかになる。
映像や音声や音楽は深く記憶に刻まれず、内容は薄れ、料理の味も香りもきちんと味わえず、それぞれの煩わしさだけが増して感じられる。
子供の頃はそんなに感じなかったが、大人になって処理能力が低下したのか、あるいは感覚できるレンジが広がったか、その両方なのだろう。
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人と一緒に何かをすることも同様、その誰かと一緒にいることがコンテンツ(目的)なのか、一緒にする何らかの行為や対象がコンテンツなのか、ということになる。
極端な話、前者であれば「一緒にいるのが誰か」というのが要件のため何をするのでも問題ないことになるし、後者であれば誰と一緒だろうが(一人でも)構わない、ということになる。
配分はもちろんあるだろうし、両方が要件であることもあるだろう。
しかし一方に集中しているときと比べると、どうしても感覚されるものは雑になる。
僕が誰かと一緒に暮らすのに向かないのは、そういう部分もあるのだろう。
生活というのは、いかなることにもそうした配分をして過度な集中を避けることにあるのだろうし、そうする中で、なおざりになる部分をそれぞれが互いに許し、補うことでもあるのだろうから。
恋愛と結婚は違う、というのもそういうことではないか。
身体がひとつである以上、あれにもこれにも十全に集中して全力であたるということは不可能だ。
もちろん僕は自分が他人から雑に扱われることを嫌うし、相手も同様の理由や感覚を持っている前提で行動してしまう。当たり前のことである。
すると雑に扱わないために、そもそも安易に誘わない、ということになる。
しかし外部からはその消極性が、自身に対して何も求められていない、という認識になる(人もいる)ようだ。
そもそもそんなに素晴らしいコンテンツを持っているなら必ず誘われると思うのだが、皆、そんなに自分(に含まれるコンテンツ)に自信があるのだろうか。
自信があるならなぜ、誘われない程度で不安になるのか、それがいまいち分からない。自信がないなら誘われないことは当然なのだから、自分から誘うしかない。
少なくとも僕は、寂しいとか退屈だという理由で他人と(それが友人であれ恋人であれ)つるむような価値観を持っていないので、誘いたいときだけ誘うし、それ以外では誘わない。
したくないことはしないし、したいことをする、というのがポリシィなのでこれは必然だろう。
もちろんしたくないことをする必要があることもあれば、したいことができないこともある。大人だからそれらをわきまえた、その上で。
他人の顔色を窺うのが悪いことだとは思わないが、自分の顔色を先に確認する方が大切だと僕は思っている。
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会社員の頃、電話のせいで一度、ノイローゼになりかけたことがある。
顧客がクレーマになってしまい、土日であろうと9時から22時まで、およそ5〜30分おきに電話をするようになってしまった。
最終的に上司に相談して、その人についてだけは着信拒否にさせてもらったが、すでに遅く、何をしていても電話の着信音が空耳で聞こえるようになってしまっていた。
もともとの電話恐怖症と相まって、回復まで3ヶ月ほどは掛かったか。
もちろん別人格で会社員のカオは運用していたから表向きは問題なかったが、夜中に突然目覚めたり、シャワーを浴びている最中に着信音が聞こえた気がして(他のどんな轟音も、無音も、空耳を妨げることはできない)呼吸が定まらなくなったりと、ずいぶん酷い思いをした。
結局、それ以外の多くの人と接して、多くの人と電話をしていたからこそ、比較的早い段階に回復したのだと思う。
それより昔に、似たような脅迫観念に駆られたときは、電話機を冷蔵庫に仕舞ってなお聞こえる着信音に怯え、ならば意識を止めておこうと眠り続けた記憶がある。
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昨年だったか、お酒を酌み交わした近所の老婦人のことで、その後もずいぶんと気分と体調を崩している。
単に彼女としては、取るに足らない世間話をしたいとか、ちょっとした便利使いを頼みたい(近所の買い物だとか、ドアの建て付けの修正だとか、スマートフォンの使い方を教えてほしい)のだろうと思う(実際そのようなことを言っていたので)。
こちらはヒマの身の上であるし、他人に親切にすることにやぶさかではない。
しかし彼女には一定の悪意 ── 自身が見聞きしていない他人の悪意を断定的に妄執するような類いのそれ ── があるので、本能的に関わりたくない。
僕に対して悪意がないのは分かっているが、そうした人はこちらの意見に耳を貸さず、ひとたび気分が変われば誰彼構わず敵視するので、つくづく面倒なのだ。
そう思って距離を取り、現在に至る。
長らく他人の愚痴を聞くことを趣味にしているが、こんな場面で役立つとは思っていなかった。
お酒を交わした数日後だったとは思うが、一番酷いときで、一日に20回ほども着信があったろうか。
一般的に、それが普通のことなのか、そうでないのかは分からない。
とにかく僕にある種のフラッシュバックを起こさせるだけのそれは、暴力的な行為だった。
それから決定的に、その人を避けるようになってしまった。
困りごとを解決してあげたい、という気持ちはあるのだが、無作為にせよ、ダメージを受ける行為を続ける相手をするのは苦痛である(こちらは一人の方が好きだと伝えてあるのに)。
それ以降も、2日と間をおかず、数回電話が掛かってきて、毎回留守電が残る。
もちろんすべて無視して、留守録も聞かずに消している。
しかしそれすら面倒になって、昨日から着信拒否をした。
本来なら関係を綺麗さっぱり断ってしまいたいのだが、駐車場を貸したままである。
もちろん先方も困っているから依頼をしているわけで、可能な限りの手を貸したいという気持ちはある。
相手の役に立つことをしたくない、害したい、という気持ちを持っているわけではないのだ。
ただ相手の悪意に付き合ったり、その悪意に同意をしたくはない一方で、安易に否定したいわけでもない(できるとも思っていない)。

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悪意や妄執、疑心暗鬼というのはひとつの認識であり価値観だ。
だからそれを必要とする人にとっては空気のように欠かせないもので、おそらく否定されて気持ちの良いものではないだろう。
それに悪意のある者だって、困ることはある。
苦しいこともあれば悲しむこともある。それは善人も悪人も関係ない。
孤独を嘆くこともあれば他人の善意を信じられないこともあるだろう。
悪意のある者を断罪するのは簡単だ。
では弱者のすべては善人だろうか。そんなこともあるまい。
善人かつ弱者だけを救うというのは一見崇高だが、それを自身の独善だけで測るということ自体、ずいぶんおこがましいように思える。
戦争を続けている国がある、災害に苦しむ人々がいる。
困っている人の、そのすべてが善人だなんて、僕は思わない。
ただ弱っているだけの悪人を、しかし断罪するほどたいした正義を持っているわけでもない。
傷ついたからといって相手を悪人と断ずる気はないが、相手は不本意だろうと慮って自身の負う傷を放置するわけにもいかない。
こういう抽象的で複雑な葛藤が巡るので、酷く疲れて塞ぎ込んでしまうのだ。
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いい格好しいなのは分かる。
けれど、いい大人がなりふり構わず、自分の損得や善悪感情だけで行動するのが良いことだとは、僕には思えない。
なりふりを構って、自分の損得だけに囚われず、格好をつけて、皆にいい顔をするのが大人ではないのか。
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[NEXUS]
~ Junction Box ~
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[Engineer]
:青猫α:青猫β:黒猫:銀猫:
[InterMethod]
-Algorithm-Diary-Ecology-Form-Interface-Link-Mechanics-Stand_Alone-Style-
[Module]
-Condencer-Connector-Convertor-Reactor-Resistor-
[Object]
-Friend-Human-
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[Cat-Ego-Lies]
:君は首輪で繋がれて:ひとになったゆめをみる:
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