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TITLE:
寂しさと眠る。
SUBTITLE:
~ Dance with loneliness. ~
Written by BlueCat

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230106

 あまり書かないが、僕は寂しがり屋である。
 ただ、孤独への耐性が極めて高く、その上、孤独自体も好きだ。
 ついでに寂しさそのものまで気に入っているときている。

 寂しさと孤独を天秤に掛けても、孤独に対する好ましさの比重が高い。
 それは寂しがり屋ではないと言われてしまうかもしれないが、孤独に対する嗜好も、寂しいと感じる気持ちも、絶対量がとても高いのではないかと思う。

 独りが寂しいというのは事実だ。
 だから独りでいると、寂しさを満喫する機会が増える。
 寂しさのいいところは、誰かといるときと違ってそれに疲れたり、飽きたりしないことだ。
 寂しさに耐えられなくなったら飼い猫と話をしたり、倉庫で焚き火をしたり、庭でフォークダンスを踊ったり、仮想奥様と料理をすれば消えてなくなる。

 
 それに誰かと一緒に過ごすというのは、気を抜くことのできない緊張した時間が連続するということである。
 僕はこれに耐えられない。

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 一人暮らしを始めてから、自分以外の人間(のカタチをしたイキモノ)と一緒に暮らしたことが3回 ── うち2回は男友達とで ── ある。
 期間としてはいずれもおよそ3〜6ヶ月ほどだったか。
 相手が男性ならこちらもたいして緊張しないで済む。
 そもそも彼らは恋愛関係にないため、こちらのことをまったくといっていいほど気にしない(僕が女だったら気にしてくるのだろうけれど)。それに男というのは仕事があるので、だいたい家にいないのだ。

 問題は女性だ。
 相手が女性であれば、恋人といえど、ある程度は緊張することになる。
 彼女たちはもれなくこちらを気にしている。気にしていて、注目していて、ために僕は評価対象になる。

 寝癖が立っている。寝起きに口がクサい。寝ながらオナラをしていた。
 美味しいごはんを作ってくれる。趣味に使うお金が多い。
 友達は少ない。趣味に使う時間が多い。
 セックスはあまり上手ではない。前戯に時間を掛けすぎる。
 性感で声を出す。
 バスタオルを週に2〜3回しか洗濯しない。
 料理を作るのは好きなくせに、食後に食器をすぐ洗わない。
 だいたい毎日お酒を飲む。酒癖は悪くない。
 煙草を吸う。歯磨きの時間が長い。
 トイレに立つ回数がそれなりに多い。
 ベッドに入ると着ているものを次々脱いでいく。
 自分は猫だと主張している……。猫?

 そういうことを逐一チェックされ「アリ」だの「ナシ」だのとジャッジされているかと思うとうんざりする。
 そういう人ばかりではないと思うのだが、まったくそうでない人というのもいないだろう。
 人はもれなく感覚し、だいたいそれについて評価せずにはいられない。
 感覚するが評価は特にない、という人が理想的(僕はそうなので)だが、これまでの経験からいえば、そんな人は滅多にいない。
 仕事や学校で不在にしてくれる時間があればまだ良いが、ずっと家に居られたら、家でリラックスする時間などなくなる。
 結果、なかなか気が休まらないので、僕は身の回りに人間をさほど配していない。

 目の前でオナラをすることに無思慮でいられる相手など、僕はいない。
 子供の頃からいたためしがない。
(そういえば父は僕や妹に向かってオナラをしてくる人だった。友人のTUやBPもそうである)

 大人に対してさえ気を許していなかったので、僕はとりあえず眠る(あるいは眠ったフリをする)という技術を身に付けたほどだ。
 自意識過剰なのかもしれないが、相手が自分をどう感覚しているかと気配りし、過剰に意識させないことは、ある種の優しさだと僕は思っている。

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 大人というのは、寝ている子供をあまり気に掛けない。
 自分勝手な大人なら放置してくれるし、優しい大人なら可能な限りそっとしておいてくれる。
 やがて僕は、大人に限らずすべての他人の前で、眠ったフリをするようになる。
 会話しなくてはと、要らぬ気遣いをしない(させない)で済むし、間が持たないことを気にする必要もない。
 リラックスしている風を装うことが可能で、無防備に気を許していると思わせることが可能で、場合によっては突然寝てしまう様をして豪胆だと評されることもある。
 それでいて必要なときや、ささいな物音に目覚めることもできる。本人を前に交わされる内緒の話を耳にすることもある。

 たいして親密でもないのに、寝ている僕を、そっと撫でてくれる人もいる。
 優しく語りかけてくれる人もいる。
 身体まで猫になった気持ちになれるので、本当に寝てしまうことが多かった。

 けれどもそんな人は滅多にいない。
 緊張した状態で眠ったフリをするくらいなら、独りで緊張せず眠る方がいい。

 男でも、安心して背中を任せて眠れるタイプとしか、仕事さえ一緒にはしない。
 女だからと ── ただそれだけの理由で ── 安心して背中を任せられるものでもないことは、ずいぶん知らずにいたのだが。







 

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[NEXUS]
~ Junction Box ~
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[Engineer]
  :青猫:黒猫:
 
[InterMethod]
  -Algorithm-Ecology-Engineering-Interface-Mechanics-Memory-Moon-Stand_Alone-
 
[Module]
  -Condencer-Generator-
 
[Object]
  -Friend-Human-Memory-Night-
 
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[Cat-Ego-Lies]
  :ひとになったゆめをみる:
 
 
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