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しかなくないときはどうしているのか。
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~ not only but also ~
Written by BlueCat

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 泥沼のように眠い日。
 9時頃起きて、燃えないゴミを出しに家を出たら、もう収集車が去っていた。
 戻って朝食を摂ってしばらくしたら眠くなったので、数十分ごろごろする。
 昼過ぎまで久しぶりにTVゲームをするが、眠くなってしまい、ゴロゴロしているうちに眠ってしまう。
 目覚めたら22時である。どうしたんだ私の身体は。しかもまだ眠い。
 この上眠ってしまうと過眠頭痛が起こるかもしれず ── そうしたらカフェインを飲めばやり過ごせることを知ってしまったが ── できればそれは避けたい。

 本当は工具や資材の整理をしようと思っていたのだが、TVゲームなどという自堕落な選択をしたのがそもそもの過ちだった。

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 最近web上で「〜しかない」という言い回しをよく見かける。

「感謝しかない」「メリットしかない」「共感しかない」といった言い回し。

「〜しかない」という言葉は、「〜以外にない」「〜だけである」「〜の他にない」という意味である。
 より厳密に、正しい表現としては「〜以外(の手段/方法/道具/選択など)が(今は)ない」というのが本来だ。
 よって本来は、それ以外の選択肢があることが前提となる。

 買い物に行ったのにこれ「しかない」、病状が進行していて手術する「しかない」、といった用例が適切か。

 結果として「感謝しかない」という発言は「それ以外の感想や評価を持ちうる」ということを暗示してしまう。
「先生には感謝しかありません」と言うと、それによって「先生には感謝以外の思いがあります」もしくは「先生には感謝以外の思いを持つ人が多く居ますが私は違います」と言っているように聞こえる。

 どちらにしても、この例では先生に失礼だと僕は感じる。
 前者ならその余計な含みは要らないように思うし、後者だと他者を貶めた挙げ句、自身を引き立てることしか考えていない思考が鼻につく。
 素直に「先生には感謝しています」と言えばいいのである。

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 わざわざそれを「感謝しかない」と表現するのは何故だろう。
 おそらく「〜しかない」という用法は「本当に」「非常に」といった意味(英語なら「very」)として使われているものと想像する。
 あるいは「〜でいっぱい(full)」「〜だけ(only)」といった意味もあるか。
 それが多く見られるようになったのは、単に「〜だ」というより少しでも特別な感じを演出しようとした結果かもしれない。
 しかし特別というものは蔓延すれば特別ではなくなる。

 少しふざけた用例を挙げると、恋人に「僕が愛しているのは君だけだ」と言うとき「僕が愛しているのは君しかいない」と言い換えた日本語は比較的まともに思えるのだが「僕は君に対して愛しかない」なんて言うと急に胡散臭く思えるのは僕だけでしょうか(生徒会長立候補口調)。

 いずれにしても本来の用法は、選択肢が限定的になることにより悲観的になりがちではないかと想像される。
 しかし「今回の社員旅行はハワイしかない」という場合、前述のとおり他に選択の余地がなかった場合の他、「ハワイに行くしかない!(と私は思う)」という強い気持ちの表明とも取れる。
 なるほどそういう用法なのかもしれない。

 まぁ一方的な意志や気持ちの表明と考えれば間違っていないのだろう。

 それでも「感謝しかない」という表現には違和感しかない僕だ。









 

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