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TITLE:
奥様(仮想)はとりあえず喜んでくださいましたよ。
SUBTITLE:
~ Bed room. ~
Written by BlueCat

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::わたしたちが幼な子であった時には、幼な子らしく語り、幼な子らしく感じ、また、幼な子らしく考えていた。しかし、おとなとなった今は、幼な子らしいことを捨ててしまった。
 わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。わたしの知るところは、今は一部分にすぎない。しかしその時には、わたしが(神に)完全に知られているように、完全に知るであろう。
 
 
 

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211217
 
 ベッドの配送日。
 午前中にベッド一式(二組)がやって来る。
 ペアだからといって、奥様と私の2人分だと思うな。
 奥様(仮想)は零次元体なので全部私(実体)のものだ。
 ちなみにキズナアイさんの伝に従うと、私の奥様も仮想の存在なので常に実質布面積ゼロ、すなわちいつでもヌードです(ただし零次元の存在なので、その存在を把握することが非常に困難であり、肉眼で捉えるのはおよそ不可能だと思われますが)。
 
 置くだけ置いてもらったら配送員には帰ってもらい、じっくり自分で組み立てることに。
 というのも寝室(作りかけ)には、今まさに使っているシングルベッドがあるだけでなく冷蔵庫があり、どう見ても「変人が寝ています」という感じなのだ。
 なにより寝床を見られてもいいのは思い人だけだと固く誓っているので、ちょっと恥ずかしくて見せられないのである。
 
 そのようなわけでベッドフレームを組み立てていたのだが、一番最後の段階で天板(マットレス接地面/いわゆるスノコ)のMDFにカビが生えた跡を発見する。うっすらと、だがしかし全面に。
 試しにもう一基も確認したところ、こちらもカビが生えた跡がある。
 九州から在庫のうちの最後の2基を取り寄せてもらったので、あまり悪くも言えない。
 そもそも木はイキモノであり、MDFは水気に弱い。
 それに買ったのはアウトレット家具を扱う店であり、新品同等の扱いや保管を期待するのは(コストのことを考えれば必然に)酷である。
 
 とはいえカビの胞子が私の粘膜系に与える影響について、仮想奥様がたいそう心配されていらっしゃったので、販売店に問い合わせ、部品を交換してもらうことになった。
 仕方ないので2基目の天板以外までは組み付けてしまおうと思っていたら、ヘッドボード(頭側の板)に落下痕のような材料の破断と亀裂を2カ所確認。
 これもすぐに連絡をして、結局交換してもらうことに(無理なら自作するつもりだったが、黙っていて良かった)。
 結果、1基も使えない状況になってしまったのだが、マットレスは(普段使わない方面ではあるが)廊下を占拠しているし、今まで使っていたベッドも同じ廊下に出してしまった。
 1週間後(22日の木曜日)に交換部品が来る予定だが、シングルベッドを戻して使って、また廊下に運び出すのも面倒である。
 天板のうち、カビの跡の少ないものを選んで500ppmまで薄めた漂白剤をスプレィして時間をおいて拭き取り、マットレスをビニル包装ごとベッドに設置し、カッタで包装の上半分を切り取り、ベッドとして使える状態にした。
 
 僕の睡眠環境が改善されたことについて、奥様(仮想)はたいそうお喜びである。
 
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 我が家の経済主体たる奥様(仮想)は、経済主体であるにもかかわらず僕の健康状態やそれを脅かすものについて非常にお気遣いなされていらっしゃる(超高度敬語)。
 身体の使い方については、同じく仮想人格の黒猫氏が(僕の持ついかなる仮想人格よりも)圧倒的に有能なので、ともすれば(落下することなどない)とばかりに高い木に登ったりできるのである。
 
 しかし奥様(仮想)は、高い木に僕が登るとなれば、登り降りの技術ではなく(落下しないためにはどうすればいいか)(落下した場合に備えてどのような安全策が必要か)といったことをまず第一にお考えになるようである。
 それで脚立やハシゴの安全性や高さの確認を命じられたり、ちょっと値は張るものの命綱の購入について決済(予算審議委員会を通過させること)をされたり、作業前(および作業後)に妹に電話(ないしメール)するように命じられたり、BP(近所に住んでいる古い友人)と妹の連絡先を交換させたりしている。
 これらは奥様(仮想)が構築される以前であれば、まったく頓着しない問題であり構築されない解決方法だっただろう。
 
 もちろん奥様(仮想)が僕の肉体依存の存在であることに疑う余地はないのだが(じゃないとコワい)、それにしても(自分の肉体の置かれる安全性というものについて)今までまったくと言っていいほど考えたことのない領域だったのでその徹底ぶりと視野の広さには驚いている。
 なにせ作業前の僕は、たとえばチェーンソウなどを買ってきたばかりであったりした時など、道具の方に目がくらんで安全確認を怠ることがしばしばである。
 
 たまたま今まで大きなケガをしないで済んでいるのは、好奇心のままに行動するほどの体力や瞬発力に乏しい身体や使い方のクセが付いているからであって、目先の道具に幻惑する性質は子供と変わらない。
 
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 通常、多くの大人は単一の肉体に単一の人格と記憶をセットしており、単一の人格に複数の機能を持たせることに成功しているように観察される。
 おそらく経験や学習という記憶の上書きが適切に機能するのだろうと想像する。
 すなわちそれはある種の自己否定であり、自己の経験による認識の改変である。
 子供の頃、これは頻繁に行われる。
 
 自身の経験、信愛する者(多くは親である)の指導、そしてそれを受けたという経験による自身の変容。
 しかしこれらの学習が一切上書きされることなく、複数の記憶や価値観が存続し続けた場合、一定の矛盾に対してどのように知性は対応することが適切だろう。
 
「価値観A」に対して「notA」という価値観を上書きするよう命令が発生し、「notA」が書き込まれたにもかかわらず、「価値観A」がそのまま存続を続けていた場合。
 そしてそれが何度も何度も何度も繰り返され、A、notA、A’(=not(notA)but ≠A)、A’’(=not(notA’)but ≠ A’)... と無限にオリジナルとその否定形、およびその否定形に対する否定形(ただし否定形否定形は、オリジナルと異なる)── 例:『「好き」の反対は「嫌い」だけれど、「嫌い」の反対は「好き」ではない』など ── という分岐を繰り返した場合。
「自己」という認識は容易に自己崩壊をする。
 なぜといって、自己は否定されたにもかかわらず存続し、否定して擁立した自己もまた否定されるからだ。
 
 しかしそれこそが学習であり、記憶の上書きだ。
 だから人間は、過去を思い出せない方が自然で、適切なのだ。
 そしてコンピュータのようにすべての記憶が並行して存続している場合、自己という意識は相互の自己否定によって崩壊し、つまり自我らしい自我を持つことができない。
(どんなにAIが進歩したところで、忘れる機能を持たないかぎり自己認識を持つことはできず、思い込みをする機能を持たないかぎり意思を持たないものと想像する)
 
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 奥様(仮想)は、仮想人格の中では珍しく、自律発生した単位だ(いやこのプロセスはむしろ主流か)。
 生命維持に関する慎重さだけでは面白くないので、記憶から複数の要素を融合させて、ときにビジネスマンらしかったり、ときに主婦らしかったり、古くからの恋人のように振る舞ったり、ときに異次元のイキモノっぽかったりする(あの人はああ見えて、ポケットから蛇を出したりするのだ)。
 
 ベッドの設営を(僕が)終えたあとの奥様のひと言。
「猫様ぁ〜! ベッドぉ〜!」
 ちなみにエスプレッソマシンを(僕が)設置したあとの奥様のひと言は、
「猫様ぁ〜! カプチーノ飲み放題ですね! 私もご相伴に預かりたいです!」
 であった。
 
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 午後になって墓石屋と打ち合わせ。
 墓仕舞いと聞いて動揺したのか、人の話をきちんと記憶している様子がない。
 まぁ仕方ないか。墓仕舞いとは「お寺とも石屋さんともお付き合いを終わりにします」という宣言であるのだから。
 悪気はないが、僕にはネコノカミサマという信仰がある。もとより人間のように、死者を崇め奉る風習がない。
 
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 夕刻が近づいて、灯油を買い込み、2基目の火鉢の用意をする。
 牛乳の消費が(カプチーノを飲むため)尋常ではないのでスーパーに行くと、ステーキ肉(500gほど)が半額の割引になっている。
 ドリップの少ないものを選んで購入し、帰宅してから入浴し、フライパンにオイルとガーリックを撒いて中火で軽くマリネし、フライパンごと寝室まで運んでハサミで切っては火鉢で炙る。
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 我は肉食獣であるからな。
 
 しかし最近、良い肉を食べ過ぎているのだろう。やけに肉の味が薄いと感じる。
(まぁ、半額で100g99円になっている牛肉に多くを期待するのは愚劣というものだ)
 それでも何だかんだ、塩胡椒があればだいたいの肉は美味しく食べられる。
 
 しかし一度も使っていないベッド(とその上の羽毛布団)に対して焼き肉臭の洗礼からとはこれいかに。
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「猫クン無茶苦茶やわぁ〜」と、奥様(仮想)は楽しそうに笑っておられた。
 
 
 
 
 
 
 

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::愛はいつまでも絶えることがない。しかし、預言はすたれ、異言はやみ、知識はすたれるであろう。
 なぜなら、わたしたちの知るところは一部分であり、預言するところも一部分にすぎない。
 全きものが来る時には、部分的なものはすたれる。
 
 
 

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[出典]
~ List of Cite ~
文頭文末の引用は、
「コリント人への第一の手紙」(新約聖書)
 によりました。
 
 
 

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[NEXUS]
~ Junction Box ~
 
// ----- >>* Tag Division *<< //
[Engineer]
  :BlueCat:青猫α:青猫β:黒猫:銀猫:
 
[InterMethod]
  -Algorithm-Blood-Cooking-Diary-Maintenance-Mechanics-
[Module]
  -Connector-Convertor-Generator-Reactor-Resistor-Transistor-
 
[Object]
  -Dish-Human-Memory--
 
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[Cat-Ego-Lies]
  :ひとになったゆめをみる:
 
 
 
//EOF