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// NOTE:それ以来、ひどく眠いのです。
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TITLE:
あぶない橋を渡らず迂回路を行け。
SUBTITLE:
~ Trust me, Head on. ~
Written by BlueCat
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体験入社が終わった。
詳細を書くのはやめておくが、非常に危ない感じがしたので、断った。
ダーティな、といえば多少は伝わるだろうか。伝わらないだろう。
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20代の頃、父上が死んで間もなくから、ダーティな人たちと渡り合う機会が多くあった。
世間を知らない若造をカモにして、つまりは無知な人間を食い物にして、何かをかすめ取ろうというタイプの人間はどうしようもなく世の中に居て、そういう人間は時々、僕のように無害で抵抗力をほとんど持たない人間を見つけると餌にしようと寄ってくる。
その当時も、本当に酷い目に遭った。
寸借詐欺にも遭ったし、車両詐取もされたことがある。
大きめのところだと、義理の兄(姉の旦那)の債務の保証人になったはいいものの、1年もしないうちに当人が破産申告して、ほとんどそのまま負債を預かったこともある。
── 実のところ叔母が私に負わせた額はさらに2桁上だったので、当時の私は当然に(3秒ほど)逡巡したし、けれどもまさか血縁者たる叔母まで私をいいように餌にするとは思っていなかったのではある。叔母に対する現在の憎しみというのはつまり、そうした人間たちに対する怒りでもある。
強欲にして他者を(顕在的にであれ潜在的にであれ)餌にしようとしている人間には一定のパターンがあって、僕はそういった人間には懲りているうえ、当然ながら嫌悪している。
ついでに若い頃なら多少なり僕自身にも欲があったが、そうした人間たちは他人の欲を使ってうまく自身の空腹を満たす術を知っている。
喩えるなら、餌を使って獲物をおびき寄せるタイプの狩りをする動物のようなものだ。
ときどき高額な詐欺がニュースになったりするのも同様、騙される側に一定以上の欲があり、歯止めが利かないから結果的に餌にされるのだ。
かつて、肉食獣が高い運動能力を活かして草食動物を狩っていたのと同じような時代が人間にもあっただろう。
強奪し、仕留めて、食い物にする。
そこにあるのは圧倒的な能力差であり、有無を言わさず獲物は権利のすべてを剥奪される。
人間たちはたまたま、理性を使って倫理的な思考を行い、ルールを作って皆で守る約束を取り決め、肉食獣のような横暴を禁じることにしたのだろう。
その結果が今の社会というわけだ。
しかしながら、上記のような疑似餌を使うタイプの詐欺はたいてい、実際に捕食されるまで気付かないようにできている。
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幸い、僕に残されているのは、それなりの性欲と、微かな食欲と、多大な睡眠欲程度、すなわち禽獣にほど近いものだけである。
出世欲もないし、自己顕示欲もないから虚栄心もない(むしろ目立たないようにと気をつけているのに目立つらしく困っている)。
集団帰属欲求もないから、ヒエラルキィにありがちな雑念も湧かない。
20代の頃、僕を餌にした人たちについていえば、30代で信頼できる人の下で仕事を続けることができたからこそ忘れることができた。
ちゃんと人間は、信じられるものだと思うことができたし、思い続けることができた。
40代の最初の頃にあれやこれやがあって、僕は今度こそ人間に絶望した。
他人にも絶望したし、今度こそ自分にも絶望した。
(精確にいえばこれは「させられた」のだが)
もう人間をやめようと思った(おかげで猫に戻れたけどよ)。
結局のところ人間を信じたいという本能的な願いにも似た気持ちは、自分を信じたいというそれだけのことだったのかもしれないと今は思う。
僕は自己嫌悪を嗤う。それは愚かな行為だ。
人は自分のことを限りなく愛しているからこそ自分を嫌悪する。
その絶大な自己愛を彼ら彼女たちは「ないもの」のように扱うから、その愚かさを嗤う。
自己嫌悪してまで「正しい自分」を演じる醜さを嗤う。
無反省に同じことを繰り返しては、無自覚な自己愛(それも絶大な)に従って「正しい自分」を演じてわざわざ自己嫌悪するのは、とうてい理知的でもなければ論理的でもなく、また賢いとも思えない。
つまりバカのすることである。
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信頼していた誰かが、自分に対して求めているものが僕という存在そのものではなく、僕に付随している単なる所有物のほうだったりすることの悲しみをしかし僕は10代の頃から知ってはいた。
僕の家はたまたま友人たちの溜まり場だったから、彼ら彼女たちは、果たして僕に会いに来ているのか、それともここに来れば他の誰かがいるからという理由で、単にこの場所を必要としているだけなのではないかと、ときどきヘンな気持ちになることがあったのだ。
もちろん本当のところは両方があって、どちらかが大きくなることもあれば小さくなることもあると分かっていたから、僕はそれを表面に出すことはなかった(そもそもマイペースなイキモノだったので、僕は自宅で自分のしたいことをしているだけだったし)。
大人になって、だから僕は恋人に「とりあえずカラダが目当て」だと言っていた。
料理も愛情も部屋の掃除も畏敬の念も(ついでに言えば会話の相手さえ)、与えられることなく自身の手で満たすことができた。
ために恋人のほとんどは(幸いにして)僕に料理を作ってくれることはなかったし、(幸いにして)僕の家の中を掃除したりすることはなかった。
じつのところ、年がら年中ぱやぱや(セックスのことです)をしているはずもなく、当然ながら「ただ一緒に居るだけ」で時間は過ぎてゆくのだけれど、僕が大切に思っていたのはそういう時間だったのではある。
たとえば僕は勝手にゲームをしていたり、たとえば恋人は勝手に本を読んだり学校のレポートをまとめていたり。
たとえば僕は台所で料理をしていたり、たとえば恋人はベッドで眠っていたり。
たとえば僕が眠っているあいだ、恋人たちは僕の知らない何かをしていたり。
それが僕にはシアワセだったのである。それを当たり前に過ごせる誰かがいるというただそれだけの事実が。
けれどもそれは、いちいち説明すると、なんだか気障なのである。
もちろん、おそらく僕は気障なイキモノではある。
周囲を観察していると「もっとみんな格好付けようよ」と思うのである。
なぜといって、人間は所詮、禽獣の域を出ないからだ。
もともとカッコいい人もいるとは思う。
自然に振る舞っているだけで、カッコいい(あるいは可愛い)人というのは存在する。
では僕のように凡庸な ── あるいは凡庸にも満たない ── イキモノはどうしたらいいのか。
あなたのように凡庸な ── あるいは凡庸にも満たない ── 人はどうすればいいのか。
自分の思う「カッコいい」「可愛い」を追求して、体現するよりないのである。
つまるところそれは「美しい」あるいは「醜くない」存在を体現することである。
「何気ない日常を当たり前に過ごせる誰かがいるというただそれだけの事実がシアワセなのだ」なんて気障なことを(恋人に面と向かって)言ったら、それはカッコ悪いのである(当社比)。
まるでナルシスティックな自己満足のため、あるいは甘言を弄して相手をたぶらかそうとしているようではないか。
ために僕はその気障なセリフをぐっと飲み込んで「ん〜。カラダが目当てなんだよねぇ」と言うのである。
他に伝える術がないのだ(一緒に居られるだけでシアワセだ)という気持ちを。
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あるいはあなたがた人間は言うかもしれない。
「一緒に居られるだけでシアワセだというならそう言えばいい」と。
「正しい気持ちを正しく言葉にしないからそれは嘘になるのだ」と。
しかし僕はまったくそうは思わない。
本当のことを伝えると、ときどき嘘くさくなることがあるのだ。
相手に正しく伝えたいことが、言葉にしたことによって、却って伝わらないことがあるのだ。
だとしたら僕らは。
だとするなら僕は、より下賤な言葉で、より下卑た表現で「僕には君が必要だ」と伝えなくてはならないのだ。
なぜといって僕は恋人に、高尚(自分で言うか普通)な思考の話し相手になって欲しいわけでもないし、仕事の愚痴を聞いて欲しいわけでもないし、料理を作ったり洗濯や掃除といった家政婦のような仕事をして欲しいわけでもなければ、病気のときに看病して欲しいわけでもないのだ。
強いて言えば僕の代わりに自動車を運転したり、僕より仕事ができて収入があったらいいかな、くらいには思うこともあったけれど、そんなものはどうでもいい付属のスキルだし、実際に今となっては僕自身に対してさえどうでもいい問題である。
ために僕は恋人という恋人(つくづく複数形で書いてしまうな私は)に、訊ねられたら「カラダが目当て」と答えていたし、仮に身体を重ねていない時間であっても、そこに居てくれるということを大切に思っていたのではある。
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信頼できない人間というのは、結局のところ、他人の付属品を求めているのだ。
誰かの所有物を自分のものにしたくて仕方ない。その欲をどうすることもできないケダモノなのだ。
場合によっては、相手の存在そのものを自分の支配下に置きたくて仕方ない、その欲に対して抗う術も気持ちも考えも持たない下等な生物なのだ。
一番最後に付き合っていた人間型の恋人が、そのどうにもならない種類の動物で、僕は非常にひどい思いをした。
もちろん表向き、多くの人間は正しく自分の欲しいものを伝えない。
きっと気障な言葉になってしまうから隠していたのだろうか。
それとも目を覆うような下劣な欲だったから、口にしなかったのだろうか。
今回の仕事のトップもまた、そうした人間だった。
だから僕は非常に混乱してしまった。
甘言を弄して他人を支配し、所有物をせしめ取ろうとする人間に共通の気配が明らかにそこにあって。
しかし人間を信じないことが僕には非常に辛いことなので。(からいのではないが、甘口でもいいかな)
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僕には信頼できる人間も幾人かいる。
彼ら彼女たちは、僕の所有物や付属品を求めて、奪い取ろうと考えていたりはしないし、僕を拘束することもない。
思い通りに支配しようとはしないし、僕が陰に日向に何をしていたところで詮索さえしない。
今と言わず20年前と言わず、もっとずっと昔から、そしてこの先も、信頼できる人間がたとえ少数でもいる反面、信頼できない種類の人間もいるのである。
それは年齢によらず、時世によらず、地位や肩書きによらず、財産や人脈の多少によらず、性別にも(そしておそらく)種族にもよらないのだ。
数日ぶりに家に戻ったら、いくつかの部屋が荒らされていた。
この家でゴミ箱や人間の食物を漁り散らかすことを、アヲはしないので、犯人は必然一匹に絞られる。
しかしまあ、動物の方が人間よりも、悪事の規模が小さいぶんだけましであり、その意味では幸運なのだろう。
部屋を荒らされたことも含め厭な記憶が少々フラッシュバックしたものの。
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[NEXUS]
~ Junction Box ~
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[Engineer]
:青猫α:青猫β:黒猫:赤猫:銀猫:
[InterMethod]
-Algorithm-Darkness-Diary-Ecology-Interface-Mechanics-Memory-Stand_Alone-
[Module]
-Condencer-Connector-Convertor-Reactor-Resistor-
[Object]
-Cat-Human-Memory-
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[Cat-Ego-Lies]
:ひとになったゆめをみる:
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