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// TimeLine:2021-04-26
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私の登場する恋愛ゲームにそのイベントは存在しません。
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~ flag is null. ~
Written by 黒猫


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 かつて、寝ていればだいたいの体調不良は治った気がする。
 僕のカラダは不可解だ。医者の見立てに従って、それで治ったためしはほとんどない。
 外科的なものは治る。手術もだいたい成功する。
 けれど内科的なものはあまり期待できない。

 子供の頃からそういう積み重ねがある。一般常識から外れた場所にこのカラダはあるのだろう。
 薬はあまり効かないし、滋養のために高カロリィ食を取ると即排出される。
 ひたすら眠って食事も控えてカラダの負担を軽くすることで、やがて回復する。

 2年前の体調不良は長期に渡った。
 どうにもならない消化器系の不調は、眠っても治らなかった。
 もちろん、病院に行っても治らなかった。(精神性ですかね、という素晴らしい見立てまでされた)
 
 今回もそうだ。
 眠っても眠っても、治らない。
 身体を動かしても、回復しない。
 食事を摂っても、摂らなくても、回復しない。
 医者にもらった薬が、効いたような気はしない。抗生物質は、果たして効果を発揮しただろうか。

 時間と僕のカラダだけが、僕の体調不良を解決する。
 今に始まったことではなく、ずっとそうだった。

 10代半ばには、体調不良があればその都度記録するようになった。
 ブログを書くようになってもそれは変わらなくて「何なの? 誰かに心配してほしいの? これ見よがしなのはさもしいから、やめなさい」と言われることもあった。
 もちろん、眼鏡美女が心配して「青猫さま、私が看病してあげる(はぁと)」という場合においてのみそれはウェルカムだけれど、それ以外はお断りである。
 精確にいえば、入院しているのでもない限り、看護は僕にとって不要である。

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 先に結論しておく。
 恋人が風邪だの何だので臥せっていたとして、みだりに看病しに来るやつは基本的に無神経であると。

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 人間型の恋人が減って良かったことのひとつは「来客がある」という理由であくせく掃除をしなくて済むようになったことだ。
 特に僕の場合、相互に認識するタイプの恋人は肉体的ヘテロにあたる ── つまりは女性である。
(一方的に恋慕する相手について、僕は性別や種族や材質、存在の具体/抽象を問わない)

 今の生活になって、特に一昨年、昨年は来客が多かった。
 今でも銀行員や地区の役員くらいはやって来るが、最初はやれ税理士やら司法書士やら不動産会社の人間やらが度々やってきて、難儀した。
 この家の畳は朽ち始めているので、とにかく服に「い草」の屑が刺さり付く(僕が床のリフォームをしているのは、ただの気まぐれではないのだ)。
 必然(当時は)あまり暮らしているわけでもない家なのに、来客のたび、前日にはやってきて掃除をする羽目になる。

 自分の為だったら、ゴミ箱にシュートしようとして失敗したチリ紙など、席を立ったついでの時に拾えばそれで良い。
 ゴミ箱の中身がいっぱいになっても、次回の収集日に袋を変えれば良いかとも思える。

 しかし来客が来るとなると、テーブルの上の不要な書類も、床に散乱した本も、どこからか猫が運んできた爪楊枝も、片付けなくてはならない。

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 話を戻して病に臥せっているとき ── とくに体温が38℃に達したとき ── だいたい僕は家の中を歩くのがやっとだ。

 ドラマやマンガ、アニメなどで恋人、あるいは想い人の看病に行くというのはまぁ、ある種のストーリィ上のイベントではあろう。
 そして病の床に就いている主人公(あるいはその想い人)の家は、部屋は、とんでもなく綺麗だ。
(オマエ絶対元気だろ? あるいは恋人の看病なんて必要ないくらい、誰かが世話を焼いてくれてるだろ)と思うのである。

 どいつもこいつもヴァーチャルに毒されている。現実を見ろ。
 まず一人暮らしのオトコが病に臥せる。
 一人暮らしのオトコというのは、ヒモやネコでもない限り、仕事をしている(僕は「職業:ネコ」なので無職だ)。
 無職で一人暮らしの成人男性というのは、僕の知る限り、ほとんどいない。自分がそうだから「絶対に」とは言えないが、僕は他の人にもヒアリングを重ねているのにこの3年ほどで1人しか知らない。

 仕事をしているオトコというのは、たいてい、家の掃除をしても週に一度だ。 
 これが倒れると、掃除をする人間は居なくなる。

 食洗機でもない限り、台所のシンクには食器や鍋が積み重なる。
 ベッドの周りには、薬のパッケージを丸めてゴミ箱に投げ入れようとしたのに失敗したものや、空になったスポーツ飲料のペットボトル、ゼリーやプリンやヨーグルトの空き容器とスプーン、大量のチリ紙、脱ぎ捨てられた下着とパジャマ、くしゃくしゃになったタオル数枚、山になったゴミ箱、無造作に置かれた体温計、いつからあるのか不明なコップと割り箸、などが散乱している。
 ベッドからトイレまでは、スーパーマーケットの袋やそこから覗く生活用品が散乱する間を、まるでナメクジが通ったように道が出来ている。
 這いつくばったついでに、タオルなどが脱皮の痕のように点在していたりする。

 ひどいときは、床にゲロが撒かれている。
 ひどい話だ。しかしそれが起こらないと、誰に言えようか。
 トイレまで間に合わず、といって掃除する体力も気力もなく、這ってベッドに戻るのがやっとだったと僕が言って、誰が否定できよう。

 こういう状況下で、自分の想い人(あるいは自分に想いを寄せている人)が訊ねて来るなどと聞かされようものなら、救急車でも呼んだ方がマシだと思える。

 ためにあまり正直に重症であることをリアルタイムに誰かに教えることは、僕の経験上、いいことはない。
 だからといって、症状が軽微なフリをすると「軽いのなら、お見舞いついでに行くね。だって会いたいモン!」なんて言い出すガールがいる。
 家に帰って漫画でも読んで寝てろ! 俺の家の鍵はぜってぇ開けねぇからな来るなこんにゃろー!
 となり、あらぬ浮気の疑いを掛けられたりする。

 映画の主人公だって反吐くらい吐くんだよ。
 俺だって具合が悪ければゲロ吐いたまま動けない事があるんだよ。

 だから。
 家に。
 来るな。
 

<キリッ>

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 お分かりいただけるだろうか。
 自力で病院に行ける奴も、恋人が看病に来るのを拒まずにいられる奴も、だいたい仮病レベルの軽微な状態である。

 ちょっと熱があるだぁ?
 少しカラダがダルいだぁ?
 そんなラベルをぶら下げて、恋愛イベントのフラグを立てるのは勝手だが、俺の体調不良を恋愛イベントと勘違いするな! とは言いたい。

 まぁ、その程度の軽い段階で病院に行ける方がよいのだが、僕の場合、ほんの数時間で風邪もインフルエンザも熱中症も重症化する。
 家まで帰る間に、長期戦の備えをするのがやっとである。

 4週間くらいなら、水分だけでも生きていけるし、そのくらいの時間があれば、大抵の病気は軽くなったりして、医者に行くこともできるようになる。

 過去に重めの肺炎(マイコプラズマが流行っていた時期である)に罹った時も、扁桃腺炎に罹ったときも、本当に苦しくて救急車を呼ぶ体力もなく倒れていた。

 眠って治したからすごいだろう、という話ではない。
 そんな重症の時に来客の対応なんかできねいから、家に来ないでください、という話である。

 どんな眼鏡ショートヘアの美女だろうとお断りである。

 いいか、看病だのなんだのにイベント性を求めるな。
 まぁ、付き合い始めて間もないカポーの片割れが軽微な体調不良に陥って、そういう「プレイ」をなさったりするのは良いと思うし、若い頃ならそういうのもいいとは思うのだけれど。

 あ、でもでも。
 床にゲロって動けなかったのは20代半ばであり、まぁ、一般的には若いから仕方なかったのかなぁとも思う反面、やはりあれは追い返さなくてはならないと今でも思うのだ。
 床にゲロってやっとの思いでベッドに戻った経験のない人にはまぁ、分からないし知らない方がいい苦労だとは思いますが。


>>>

 秋口に知り合いにもらって、花壇の畑部分に植えた人参は冬の間、枯れていた。
 だから朽ちたのだとばかり思っていたのだが、すっかり元気になっていた。隣に活けた長ネギも、ねぎ坊主を抱えている。

 畑エリアの拡大を実行する為、椿の木を1本、チェインソウで切り倒す。
 ツツジも池の残骸も、最終的に撤去する予定だ。

 今日、たらい回しの末に保健所でようやく検査を受けることができた。
 微熱はまだ、下がらない。

 僕が体調不良を記録しているのは、単にこのカラダをもっと知りたいと思っているからである。
 眼鏡美女が来訪をご希望の際は、だから早めにアポイントを取り付けていただければ幸いです。

(床ゲロに関する記述はフィクションであり、実在の人物、出来事とは一切関係ありません。なおかつ浮気もしていません)




 


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