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// TimeLine:<2021-04-19>
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TITLE:
熱が下がらないと気を遣う。そういう社会だ。

Written by BlueCat


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 5週目。
 微熱は続いて36.8。
 もうこれが平熱ってことでいいんじゃないかな。
 ただ咳がまだ出る。21〜23時がひどいだろうか。
 今週こそは再検査のために病院に行くぞ。行きたい。行ければ。行くかなぁ?

 昨日から急激に食欲が減衰した。
 3、4週目の食欲の増進が圧倒的だったため、急に何も食べたくなくなった感覚である。
 まったく何も食べたくないし、お酒を飲む気もしない。(喉の調子が戻らないので煙草はひと月吸っていない)
 まったく。恋する乙女か。
 しかし、多分これが通常なのだろう。この2週間が特殊だったといっていい。

 とはいえ強い食欲に突き動かされ、きちんとした満腹感によって食事を終え、適切に摂食吸収排泄のサイクルができあがっていた時期は終わりを告げた。
 僕の身体は以前同様、空腹も満腹も、注意深く観察しないとそこに認められない。
 顕微鏡でないと見つからないマイクロレベルの存在だと考えてもいい。いや、もう少し大きいはず。

 とはいえ食欲が減衰して、驚いている。こんなに空腹を感じないものか。
 昨日は昼食を食べて、カフェオレを(お椀サイズの)マグカップで2杯飲んで、少しお酒を飲んで、あとは白湯を飲んでいた。
 白湯の量は4L。なるほど、水なら飲むのか。

 しかし朝、身体が少し痺れていた。栄養失調の前兆。
 まぁ以前のように注意深く観察し、なんとなく食べたい気になりそうなものを適当に作ったり買ったりして食べるよりないだろう。
 栄養失調は後が怖い。未然に防ぐのがベストだ。

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 エディタに困っている。
 ずいぶん長いこと、Evernoteが使い物にならない。アプリケーション版も、Web版もだ。
(ために、内部表現が少し変わっている)
 ではAppleデフォルトのワープロソフトが使いやすいかというとそういうことはない。
 区切り線が引けないし、ページ単位でのビューしかない。エディタ機能が貧弱だ。
 地味に流行りらしいMarkdown方式のエディタも試したが、あんなものはHTMLやらに慣れ親しんだ人間のためのものだろう。
 インラインコマンドで書式設定できるのは便利かもしれないが、改行が不便で、右寄せ左寄せも不便。
 エディタ側はよしとしても、出力側のフォント指定はHTMLで指定する必要がある。
 コマンドの関係で禁則文字が拡張されているから、使えない文字列が存在する。
 マークアップだろうがマークダウンだろうがマークパンサーだろうが、使いにくいものは使いにくい。

 仕方なし、Nebulaという外部アプリを使い続けてはいるが、これがまた、右寄せ左寄せにもフォント指定にも対応していないエディタなのだ。
 肌にも合わず、気分の盛り上がるわけでもない道具は、どうも好きになれない。
 おそらく僕は、道具にうるさい面倒なオトコだから、このあたりは仕方ない。
 空腹をろくに感じないのと同じ、体質のようなものだ。

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 コロナ疲れ、というものがあるらしい。なんだろう。
 寂しさ病、みたいなものだろうか。
 実際に「自分がコロナウイルスに感染しているかもしれない」と疑い始めて2週間ほど経つが、誰かに会うことが2度とできない可能性を考えて少し戸惑う。

 そもそも馴染みの飲食店に行くことはできない。
 妹やその家族と会うことも控えなくてはならない。一緒に食事に出かけるなんて不可能だ。
 今後、人間の恋人が増えるような事態が発生した場合も、ちょっと大変だ。

 たまたま僕は、ほとんど誰にも接点がなく(猫以外に)一緒に暮らす家族もいなければ、毎日足繁く通う職場もない。
 週に何度かぱやぱやしにくる恋人もいないし、月に何度か一緒に出かけたり、共通の趣味をするような友人もいない。
 ひと月ほどを考える。
 ここに来たのは、PCR検査キットを届けに来たTUと、奪うようにして譲り受けた猫を放り出すことにした知り合い、銀行の渉外係が2回で、計4回。

 ただ。
 それでも今後、誰かと一緒に居ることが困難になり、外食もできなくなると考えると、それは少々、悲しいことではある。
 とはいえ僕は寂しいことや悲しいことが嫌いではない。
 では僕以外は?

 寂しいことが苦手な人は多いだろう。悲しいことが嫌いな人も多いだろう。(僕は不安も嫌いではないのだが)
 社会は賑やかで、楽しくて、嬉しい場所を目指して進んでゆくし、そうあるべきだと思わないでもない。
 そう考えればコロナウイルスという目に見えないものに怯え、さまざまな行動を自粛し、また自身の活動を(行動もしかり、経済もしかり)自身の意思に関係なく制限され、それに終わりが見えないともなれば相応に、不安や恐怖や寂しさは底の見えない闇だろう。自身の心に開く穴は、どこまでも自分を飲み込むだろう。

 それらはストレスになり、終わりなく人の心を苛むのか。
 それに疲れて、いったい人は、どこに癒やしを見いだすのだろう。(僕は自分が一番の癒やしだが)(←ぼっちアピールか)
 しかし個人の力で、それは解決しない。

 寂しさというのが病気なら、それを自分だけで治すのは、なかなかどうしてむつかしいだろう。
 病気が起こす社会の寂しさは、ならばどうすれば治せるのか。

 人々は、社会は、寂しさを嫌い、悲しみを嫌う。孤独を嫌う孤独な集団が強要された孤独。
 なるほど疲れる。

 それはたとえば僕のように孤独を好む個体が、かつての「孤独を悪とする」社会で、孤独でないことを強要され続けた疲れに似ているのだろう。

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 嗚呼。ネコノカミサマ。
 僕ひとりならなんとでもなるこの世の中は、誰かの呪いによってかつてのそれから姿を変えたのでしょうか。

 ええ。
 一人だけ知っているんです。こんな世の中を望みそうなイキモノを。
 いやそんなまさか。
 僕も困ってはいるのです。

<悪魔にタマシイを売ったんだろ? 今さら引き返せるか>

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 そういえば。
 暇なのでキャットタワーを納屋で自作しながら過去の記憶を漁っていたのだが。
 僕はかつて、ガールについてロングヘアのほうがいい、断然だ! という価値観の持ち主であった。
(Webにも紙にも記録は残っていないが、一時期の日記にそれが記録された記憶がある。ちなみにペーパメディアの日記は諸般の事情によりすべて捨てたので証拠はない)
 そしてなおかつ14歳のある夜、僕は突如としてショートヘアの方がいい、という価値観へシフトした。たった一晩でだ。
 14年間(知能を持ってからだいたい2年間)あたためてきたロングヘア信奉は一晩で崩壊した。まるで巨大帝国が予期しなかった敵に打ち倒されるように。

 当時(生まれついた環境から女性慣れしていたが)当然、恋人もいなかった僕は、ガールとベッドにインした際のあれやこれやを机上で想定し、ベッドの上で髪の毛を踏む可能性についてを危惧するに至った。
 これはたとえば建築作業現場で、雨天下の足場に鉄板が敷かれているときゴムの長靴の摩擦係数がどのように転倒の危険に影響するかを予測することに等しい。
 たまたまそれが、ベッドの上の想定であり、雨天に関係なく人間の関係であり、災害の規模が「髪を踏まれる」程度のことなだけである。
 しかしながら、ありとあらゆる災害の可能性を網羅し、その危険性を低減させることは、間違った姿勢ではない。
 未経験だからといって嗤えるだろうか。起きてからの対策では手遅れになる災害だってこの宇宙には存在している。
 未然に防ぐためのシミュレートはいつだって必要で、そのためには「おそらくないであろう」危険についても想定を広げてゆくことが、予防のセオリィではないだろうか。

 そして僕は「ロングヘアは腕枕その他諸々に前後する男女の密接な状況下において、髪を踏みつける可能性がショートヘアのそれより高い」という理由により、ロングヘアがショートヘアに劣るという結論を導いた。
 どれほどそれがいわゆるフェミニンで、あるいは魅力的に思えて、もしくは個人的嗜好に合っていても。

 そのようなわけで、僕は初めて恋人ができる数年前に、急遽、ロングヘア信奉からショートヘア信奉に鞍替えした。
 そしてそれは最初の恋人の家が美容室であったため、洗髪の手伝いをして確固たるものになる。
 ロングヘアで得をするのは、それで得をすると勘違いしている人間と、そこに幻想を抱いている人間、そして美容師をはじめとしたヘアケア業界だけである。

 自然災害に遭ったら、とりあえずみんな坊主にしてもいいんじゃないかな。
 僕は時々、すごく斬新に合理を導き出す。


 キャットタワーを作りながらその記憶が突如甦り、僕は思った。

「やっぱ14歳のオレ、天才だわ」


 僕は今、彼の背中を必死に追ってなお、もう追いつけないかもしれないと感じている。









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