1月はほとんど家の中でぬくぬくして過ごしていた。

寒かったからである。


居室を家で一番狭い(ために暖房効率の高い)北西の(いずれは書斎にする予定の)部屋に移し、寝室も2階からその部屋に移した。

ゆえにその部屋と台所とトイレしかほとんど使わない状況が続いている。

もともと僕は2DKのアパートで暮らしていたので、さほど問題はない。


2月の半ば、急に春の訪れを感じる。

20℃近くまで気温が上がる5日ほど前には、すでに日差しが強くなり、それまでと同じ12℃であっても、はるかに過ごしやすくなっていた。

ために慌てて床の間の壁塗りを終えた。

なぜなら続く工事は、たとえば真冬に寒さで中断したように、花粉の時期や真夏になったら同じように中断しかねないのである。


そして唐突に、畳からフローリングに替える工事が始まった。

<畳を外した床>


根太の上に板が巡っているが、その下は当然軒下である。

ここに直接、畳が乗っているため、この家は過剰に通気性が高く、夏は暑く冬は寒く乾燥し、雨が降ればひどい湿気で、ほぼ外気同様の空気環境になる。


築40年にもなると、根太や梁にも歪みが出ているのだけれど、その精密測定など諦めて強行する。

ちなみに、根太の上の板は外してから工事すべきだったかと今は思う。何故ならすでに板が反っていて、最終的な仕上がり床面を歪めることになったからである。

また、どういうわけか根太が一尺(約303mm)ごとに渡されていない。間隔が広いのである。

そういう仕様で設計されたのか、材料費を抑えるためにそうなったのかは分からない。

見えないところがなかなかひどいデザインで作られている様をこの家で僕は見ている。


<断熱材1層目と2層目>


分からないまま床柱のセンターを基準に1尺で角材を渡す、ために板中心で下骨を渡す。

これで根太と並行な骨が組み上がる。

ただし、下骨は下地板が歪んでいて、尺もバラバラであったため、一層目の断熱材は格子の一枚一枚、各辺を測って切って埋め込むことになった。

寒い上、木骨は硬く、僕の皮膚は柔らかいので苦労した。

2層目の断熱材(写真では一枚だけ横に渡っている)はおよそ設計通りの幅なので、長手に切って嵌めれば問題なかった。


ただし、建築用角材には25mmのものがない(24mmはある)。

それを知らずに僕は2層分の t25スタイロフォームを買ってしまった。

渡っている骨は下骨が20mmで上骨が30mmである。

ために一層目の断熱材は長手で嵌めることができず(面で5mm も潰すのはかなり手間なので)上骨を組んでから、格子で嵌めることになったし、当然、上骨の下は空洞ができてしまう。

2層断熱なので最終的には問題なかったが、角材の基準は知らないと大変だと思った。


<フローリング材の張り始め>

断熱材のおかげで歩きやすくなり、また暖房なしで(あたたかくはなくとも)寒くは感じなくなる。

ここで襖のレールになっている梁との高さが、場所によって合わないことを知る。

使い慣れないノミで骨を削り、合わせられる部分は合わせるが、ところどころ歪になってしまった。

まぁ、寝室にするから構わないが。


<フローリング張り終わり>

最後の一枚を上手く嵌めるのはかなり苦労したが、板張りの工事は完了。

あとは隅や釘穴をシーリングすればなんとかなるだろう。


初日からほぼ毎日作業して、だいたい2週間強掛かった気がする。

初めてだったので慣れない工具もあったし、2000mmの取手付きメタルスケールを買うまでは、スタイロフォームの切り出し線を引くのも一苦労だった(慌てて翌日に買ったものだ)。


照明器具も蛍光灯からレールライトに変えた。


プロに頼めば、もっと早く、もっと綺麗に仕上がるだろうけれど、一部屋あたり30万円から50万円掛かる。

今回はB級品(アウトレット)のフローリング材を使ったので、材料費は10万円にも満たない。

結果、ひと月働くより高い経済効果を僕にもたらしたことになる。

(今から就職して、30万円〜50万円をいきなり稼げるとは思えない)


それから全身筋肉痛になった。


余談だが、フローリングを半分張ったところで知り合いに頼まれて、居酒屋でバイトをすることになった。

通勤に片道90分掛かる。

苦痛である。


打診の段階でゴネたけれど、困っているという知人を無視するのも忍びない。

複雑な心境のまま、面接初日に「働きたくなので早くバイトを見つけて僕を解放してください」とは告げる。


通勤帰宅に3Hは苦痛である。