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// TimeLine:20200513
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TITLE:
封印再度の夢の中
SUBTITLE:
~ Who inside on your dream. ~
Written by Bluecat
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0513
1匹残っていた猫が脱走したのは数日前だ。
だから、僕の家には猫がいなくなってしまった。
正直なところ、飼っている動物が死んだり、居なくなったりした場合、僕だって落ち込む。
ただ他の人と比較して、周囲をざっと見回した範囲と比べてみても、僕は、ほとんど何も感じていないレベルにしか落ち込んでいないように観察される。
「しらたき」が、掃除機の取扱いについての私とのケンカの果て、家出をしてしまったことも。
「ラキシス」が、集合住宅の鉄製の重いドアに挟まれて死ぬことを看過してしまったことも。
「マックス」が野性に返ることを決定した日も。
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生まれ落ちるそのときよりも多く、猫の死や不在を味わってきた僕にとって、確かにそれは「またか」と思う部分でもあり、他の人と比べれば回数を重ねているぶんだけ慣れてしまってもいるし、ついでに僕はもともと無神経な方(「かた」と読むと味わい深い)だろうとも思う。少なくとも、コモンセンスとの共通点をあまり持たないのは疑いようのない事実だ。
それでも少しだけ、落ち込むし傷つく。
死んだ猫の名前を挙げればキリがなくて、僕はそのたびに記憶の箱をほじくり返しては、余計なものばかり目にすることになる。
その痛みは、自分の玩具がなくなってしまった痛みでもあり、猫にさえ必要とされない、猫を育てる役にも立たない、猫にさえ忌み嫌われる自分を認識する痛みでもある。
それでも自己憐憫を僕は嫌うから。
自分に価値がない可能性なんて考えていたってどうしようもないからせめて。
料理を作ったりして、庭木の手入れをしたりして、少なくとも自分自身の役には立てるのだということを証明しようとする。
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死んでゆくもの。
僕のもとを去るもの。
それらすべてが、僕の中の空洞に乾いた音を立てる。
お前は無力だ。
お前は役に立たない。
お前は価値がない。
他人に対して/現実に対して。
::だから、あなたは、孤独で。
::だから、どこにも、味方がいないんじゃないの?
::だから、どこにも、居場所がないんじゃないの?
>>>
匣に封をするように。
僕はある時期から、猫に名前を付けなくなった。
そのインデクスは、僕に特定の記憶を参照させる。
僕に特定の感情を想起させる。
その記憶の向こう。唐突に。漆黒の断絶が現れるから。
>>>
猫だけではない。
人もそうだろう。
ただ、人の名前は「僕が名付けない」選択肢を持たない。
彼ら/彼女たちは、誰かの祝福/呪い/エゴの発露/偶然の顛末として、名前という記号を、すでに持っている。
僕が自身に付随するはずの記号のいくつかを次々失っているのとは対照的に、より強固に、あるいは項目を増やしてさえいる。
だから本来、人と接して、親しくなって、記号を交換して、それを記憶してゆくのは、僕には嬉しいことである以上に、恐ろしいことなのだ。
::その記号はいつか。
::失われ。
::かつての記号と同じように。
::匣の封を、内側から。
激しく打ち据えるのだ。
::あなたに、どれだけの価値があるの。
::あなたは、わたしの役に立つというの?
::あなたは、存在に値するの?
::あなたにとっての記号と同じように。
::あなたが記号にしてきたように。
::無意味なものとして。無価値なものとして。
::誰もあなたを記憶しないのではないの?
>>>
だから僕は、いくつかの記憶を失っている。
ときどき整合が悪くて、周囲の人より先に、自分が不審に思う。
「ああ。匣だ」と僕は思うけれど。
言葉にもしないし説明もしない。
「あなたがた」は大切なものに名前を付けることができる。
僕は、名前を付ける資格さえなくて、どんな名前も呪いになってしまう。
まさか多くの人は、匣の中の記号が、悪魔のような呪いを連れて出てくるとは思っていない。
自分の中に匣があることさえ、知らないかもしれない。
>>>
13日に、たまたまweb上の日記を見たら、星座占いが1位になっていて、
「ずっと手に入れたかったものが手に入る」とかなんとかとあったので、しばし考えた。
僕が欲しいものなんて、ほとんど何もないのだ。
たしかに、戸建ての家のweb環境であるとか、新しいMacであるとかは欲しい。
しかしそれは「手に入る」類のものではないように思える。
つまりガールか。
また新しい恋人が増えるのか。正直悲鳴を上げてもいい頃だろう。もうやめてくれ。これ以上ボクを滅茶苦茶にしないでくれ。いやしてもいいけれど、ちゃんと責任とってよね!
そんなことを思うか思わないかのうちにすっかり忘れ果てて(当たり前だ。そんなものは所詮、占いなのだ)泥のようにアパートのベッドで溶けていたら、妹からメールが来た。
「今日遊びに行ってもいい?」
「いいけど今はアパートの方にいて、しかも猫が逃げたから、猫と遊べないよ」
「え? じゃ、新しい猫飼う?!」
……。
はい?
その後、とんとん拍子に話が決まって、その日の午後には新しい猫がやってきた。
離乳しきっていない、仔猫である。
数日後、やわやわとした桜色の耳を持つこの子は、目が蒼いという理由で「アオ」と、姪によって命名された。真面目な話、ダジャレではない。
ちなみに、当たり前だけれど、僕のIRLの知り合い/友人/恋人/血縁者、いずれも、僕が青猫工場を運営していることは知らない。
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仔猫を育てるなんて、10代のガールをテゴメにするより簡単である。
(正直にいえば10代のガールをテゴメにした経験がないので分からないが、多分、仔猫を育てる方が簡単だろうと想像する)
めちゃくちゃ可愛くて、日記を書くことが出来なかった。
目が見えていなかったのでなおさらである。目が離せなかった。
久しぶりに粉ミルクを作るのも新鮮だった。
昼も夜も買い物もお風呂も一緒である。
あれか。天使か、すなわち天下りか。
あと、アカウントに不正アクセスされたので、コメントの返事すら出来なかった。
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[NEXUS]
~ Junction Box ~
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[Engineer]
-工場長-/-黒猫-/-BlueCat-/-銀猫-
[InterMethod]
-Blood-Darkness-Diary-Ecology-Interface-Life-Love-Memory-Stand_Alone-
[Module]
-Condencer-Generator-Resistor-
[Object]
-Cat-Human-Memory-
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[Cat-Ego-Lies]
-ひとになったゆめをみる-
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