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//TimeLine:20180223
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TITLE:
ご名湯でご名答
SUBTITLE:
~ wish or wash ? ~
Written by 黒猫


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//[Body]
 ガールに
「ねぇ、青猫〜。一緒にお風呂に入ろうよぅ」と提案される。
 英語に訳すとプロポーズであるが、すなわち提案である。

「ありがたく拝命賜りたく存じますが、現在の拙宅のユニットバスはバストイレは別であるものの40年ほど前の型式でありまして、物理的にコンパクトで最低限の用途むけに設えてあるため、ご一緒の入浴は困難にござる」
 といった具合に、慎重に、事実を踏まえたうえで、余計なことは語らず、相手の心情をなるべく傷つけないように配慮した上で、丁重に事態を沈静化するもくろみでワタクシも答えて曰く、なのである。
 日本語が変なのは仕様なのでござる。

 するとガールの答えて曰く。
「あなたの家だとベッドと寝室があるからダメ!」であると。

 一緒にお風呂に入りたいとアナタがおっしゃっているのはアレですか、僕の知っている「一緒にお風呂」と違うナニカなのでしょうか。

 おおガール。
 文脈から察するに「私(ガール)はガメラと一緒にお風呂に入りたい」と青猫に提案しているのでしょうか。
 あるいはガメラ以外(かつワタクシ以外)のゴジラかナニカ(あるいは誰か)と一緒にお風呂に入りたいと懇願されているのでしょうか私は。ガールから。

 それとも「青猫はスリジャヤワルダナプラコッテと一緒にお風呂に入るべきだよ」と提案されているのでしょうか。
 あるいはスリジャヤワルダナプラコッテ以外のンジャメナかナニカ(あるいは誰か)と一緒にお風呂に入るべきだよ、とサゼッションされているのでしょうか私はガールから。

 だってベッドと寝室は却下だけれど一緒にお風呂に入りたいなんていう心情は、なかなか想像できないわけですよ、ええ。
 あるいは「寝室とベッドを取り除いた家で暮らせオマエは!」という呪いなのかもしれない。呪詛か。
 呪詛ではなくて「私の会社の事務所で暮らしなさいあなた、猫でしょう?」という誘いなのかもしれない。そう考えればそれはそれで素敵かもしれない。
 しかしそれは「一緒にお風呂に入ろうよぅ」(小さい「ぅ」が付いていることはかなり重要なことなのであえて外していない)と相反する。
 というよりそんな提案(英語に訳すとプロポーズ)は不要ではないか。
 単に「私の事務所(ベッドも寝室もない)で眠りなさいアナタ」と言えばいいではないか。

 つまりそもそもの提案であるところの「一緒にお風呂に入ろうよ」の主語(誰が)と述語(誰と、あるいはナニと)がはっきりすれば、この問題は解決するのである。
 名探偵もびっくりの真実が(おおよそ)ひとつ(くらい)だけ見えてくるわけなのである。

 しかし僕もかれこれ20年以上は猫として生きているわけで。
 ここで素直に、自分に正直に、「Hey,ガール。ユーの提案しているのは、つまるところ、誰が、誰と一緒にお風呂に入るべきなんだい?」なんて尋ねようものならこの世の終わりがそこに待っている。いいね?
 もしもここに10代のうら若きボーイがいるならば、ああいるならば。
 僕は彼に教えておきたい。
 そんなことは口が裂けても尋ねてはいけない。
 とくにジャパニーズのガールにはダメだ。
 デリカシィ(珍味の意味ではない)のないオトコだと思われて、どういうわけか嫌われる運命しかそこには待っていない。
 そこはワビ=サビの世界であって、シンプルに自分の疑問を口にしてはいけないのだ。
 少なくとも安易にカールの本心など尋ねようものならば、ガールから[1:睨まれる]から[9:捨てゼリフとともに去られる]までの処罰が待っている。

 もっとも欧州圏のガールなら誘い水である可能性もあるわけで、よってもう少しひねった解答(いやぁ、いくらこのあいだドバイの別荘の屋上に設置したジャグジーでも、スリジャヤワルダナプラコッテ全土は入りきらないし、仮に入ったとしても君の入る余地はないよ?)をしてもいいし、むしろそんな程度の解答ならしない方がいいかもしれないし、任務の成否を問わず当局は君の生命と恋愛の行方を保障しないのでそのつもりで。成功を祈る。

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 よくよく確認した(僕は9本の尻尾に相応した命があるから生き存えたものの、尻尾も退化したような諸君にオススメはしない)ところ「ガールは僕(青猫)と一緒に、時空的に同じ湯船のお風呂に入りたいがベッドインしたいわけではない」という明確なお答えをいただいた。
 バスルームでも欲情するタイプのオスがいるではないか、という設問にたいしては「アナタはそういうイキモノではない」という的確な洞察に基づいた回答をいただいた。
 もはや目的が分からない。ああ、はいはい、風呂ね、風呂。そんな感じである。

 しかしね、ぼかぁ、このところ、寝食するヒマもないほど忙殺されておるのだよ仕事に。
 とぼそっとつぶやく僕を無視してガールは「日帰りで、貸し切りの露天風呂がある温泉があるから一緒に行こうよぅ!」と提案(英訳するとプロポーズ)してくるのである。ぜったい俺が運転するだろ、行き帰り。

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 かようにガールというのはミステリアスなイキモノなのではある。
 日帰りとはいえ、家族風呂という名目とはいえ、混浴の、休憩室付きの露天風呂を温泉施設のフロントというパブリックスペースで申し出る恥ずかしさというのはまた格別である。
 穢れた諸兄はなんとも思わないやもしれぬが、ワタクシは猫なので。
 しかしガールにそんな恥ずかしい思いをさせるわけにはいかないので、慣れた(ふうな)顔で「この露天の個室。2時間で」と言いましたよ。ええ、言いましたよ。
 ぱやぱやしに来たんじゃねぇよ! 風呂だよ風呂入りに来たんだよ! ガールからお風呂に誘われたから風呂に入りに来たんだよ!
 と叫びたい気持ちをぐっとこらえて。(叫んだら逆効果だから)

 緊張のあまり温泉の具合をほとんど忘れてしまったことよ。




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