子供の頃、迷子になったことがある。

母親と離れてしまったことが悲しくて、ひとりぼっちであることが寂しくて、ここがどこであるのか不安で、無事に帰れないのではないかと心細くて、僕は泣いた記憶がある。

孤独は恐ろしくて、さみしいものなのだと、僕は思っていた。

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大人になった僕は思う。

誰かといるから悲しくなるのだ。
誰かといるから寂しくなるのだ。
居場所があるから不安になるのだ。
帰る場所があるから心細いのだ。

ほんとうにひとりぼっちなら。
悲しくはならない。
寂しくはならない。
不安にならない。
心細くもならない。



ひとりだったら、大丈夫なのだ。