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//TimeLine:20170506
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TITLE:
靴とホームセンタ。
SUBTITLE:
~ Can do your self it ? ~
Written by BlueCat


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//[Body]
 僕がキーボードを替えたのは、以前のdiNovoEdgeForMacが嫌いになったからではない
 僕がキーボードを替えたのは、純正のMagicKeyboadが欲しかったからではない。

 第一、純正キーボードはキータッチの深さや軽さこそ僕好みだけれど、キーのサイズが、僕には大きい。
 キーのサイズと、キーどうしのクリアランス(設計用語なのでバーゲンセールに目がないキミの想像とは異なるかもしれない)が圧倒的に大きい。
 これは毛唐どものサイズであって、僕のサイズではない。

 皆々もよく考えて欲しい。
 キーボードは、打鍵できればどうでもいいものなのか。
 キーボードに合わせて指を大きく動かすなんて、馬鹿馬鹿しいとは思わないのか。
 オーダーメイドしたシャツのように、するりと肌を流れてぴたりと止まる、そんな快楽を味わわせてくれる道具を探して見つけて手に入れて、メインテナンスしながら大事に大事に使い続けていたというのに、10年足らずでやれ
「サポートは終了しました」だの、
「接続されたデバイスはサポートされておりません」だの、
「バッテリの交換はできません」だの、
「ドライバのリリースは終了しています」だの、
「あなたのような目茶苦茶なオトコにはついていけない」だのと言われて
「ああそうですか」と納得できる諸君よ。

 最後の例外は僕にのみ当てはまる事象であるから理解できない(僕には理解できるし許容もできる)のは仕方ないとして。
 キーボードにも妥協し、シャツやスラックスの布地にも妥協し、会社にも恋人にも親にも子にも妥協し、社会にも住む国にも食べるものも飲むものも、与えられたもの、手に入るものだけがすべてだと思って妥協するともなくありがたみもなく享受し、それらにただただ不平を並べる哀れな羊のごとき諸君よ。

 歌いたい歌を、車の中で窓全開にして、最大音量で歌っているのに、信号待ちになった途端に声のトーンが落ちる諸君よ。

 許せるか。
 自分を。他人を。その愛してもいない道具を。感謝もしていない環境を。歌い続けられることのない歌を。
 許せるのか。
 許されるのか。

 歌えよ、と僕は思うのだ(そして僕は歌い続ける)。
 だいたい周囲の車と通行人は、遠巻きにこちらを見ないようにして距離を取り始めるからよりいっそうしめたものである。

 諸君も歌いたい曲があったらハンドルなんかそっちのけで、エアギターかき鳴らして歌うべきなのである。
 ギター弾けなくたって、エアギターならタダで弾き放題だし、上手に弾けるはずなのである誰だって。
 ネックのサイズから弦のテンションから音の響きから観客からライティングパフォーマンスまで(俺のアタマの中でそうであるように)(オマエのアタマの中でそうあるべくして)望みどおり、思いどおり、想像どおり、ありのままなのである。

 許せるか。
 妥協に妥協を重ねていずれ野垂れ死ぬ諸君よ。あるいは私自身よ。
 妥協に妥協を重ね、生まれたときからそこにある柵を跳び越えることすら思いつかない諸君よ。「レールから脱線したら終わりだよ」と言われてそれを信じ続けてレールの外を見たこともない諸君よ。
 野垂れて飢餓して衰弱して、それでも最後まで指一本、脚一本、首ひとつとして、誰かに捕らわれたりしてたまるもんか輪っかかけられるなんて冗談じゃねえよ返り討ちにして食い殺すぞとホントは思ってる諸君よ。
 そして僕よ。
 許せるのか。
 許されるのか。

 自分を。他人を。その愛してもいない道具を。感謝もしていない環境を。途中で消えた歌を、なに許せない?

 ならばその柵は跳び越えるなり突進して破壊(略して突破)するなり穴を掘ってトンネルを作るなりして、目の前に誰かがちらつかせている安っぽい、味も色も分からないような飼料なんて蹴飛ばして、柵の外に出ろよ。
 牧羊犬なんか噛み殺してしまえよ。

 なんでこんなに熱が入っているのかといったらそれは単純で、まぁ、説明するのめんどうだからいいや。

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 いずれにしても僕がキーボードを替えたのは(おいまだそこか)。

 単純に、以前使っていたキーボードが、再起不能になったからなのである。
 Bluetoothヘッドホンも、キーボードも、左手用キーボードも、マウスも、すべてすべて失われてしまってそれ以上の物は未だにリリースされていない。

 未来を予感させるデバイスはいったいどこに売っているんだろう。
 未来を予感させる友達は、いったいどこをほっつき歩いているんだろう。
 未来を予感させる恋人たち(なぜか複数形)は、いったい誰と眠っているのだろう。

 かような次第で。
 僕がこの街を出て行くのは、この街が嫌いになったからではない。
 僕がこの街を出て行くのは、生まれた街に帰りたくなったからではない。
 親など死に絶えたし、帰る家などどこにもない。
 隠し子がいるとかいないとか、謎の噂は自分で吹聴するのが面白くなってきたためそこらじゅうで言い過ぎて、あまり信じてくれる人がいなくなってしまったけれど(自分でも真偽が分からないのだから仕方ない)野垂れ死ぬ覚悟などはとうの昔にすませてある。

 この街は(特に僕がアパートとして棲んでいるこのマンションは)安くて旨い呑み屋が多いのである。徒歩圏に数件あるのである。

 まず、ときどき勘定を間違えるこきたない焼き鳥屋がある。どきどきである。ここがウマい。
 安くなったり、正規の料金を請求されたりするが、高く請求されたことはない。
 ビールも酒も、コップの種類は基本一種類だけである。
 なのに焼き鳥はめっぽうウマい。
 しかも正規の料金だとしてもめっぽう安い。
 その上たまに勘定を間違えて半分くらいになったりする。
 あまりにこきたなすぎてガールと一緒に行くことなんてできない。
 しかし時々小綺麗なガールと入ってくるおっさんがいたりして「ああ」と思ったり「もっと気の利いた店に連れてけよ」と思ったりするのだけれど、まぁ好みは人それぞれだし、環境というか嗜好というか、そもそもガールのいるような店とそうした店で働くガールとねんごろ(程度がはなはだしさま、という意味で読むと面白い)になるような素養が僕には備わっていない。育ちがいいからな!

 あと。35年間、無休を通しているバーがある。
 しょっちゅう通ううち、デッドストックの酒の最後の1ショットのご相伴にあずかったりできるようにもなった。
 とにかく酒の種類が豊富で、カクテルの一つ一つのストーリィも(訊けば)ぬかりなく教えてくれる。シガーも売っている。その場で火を着けてももらえる。料理はもれなく美味いし朝の5時まで開いている。ギター(僕が弦を張り替えてスタンドを用意して調弦もしているから、優先的に弾く権利を与えてもらっている)もピアノもある。
 しかも道を挟んで向かいに同じ名前の姉妹店があるから、泥酔していても必ずたどり着ける。

 この立地!(「え、2店だけ?」というツッコミに対して僕に言えることがあるとするならば「南極と北極以外の極が、この地球に必要なの?」という問いかけくらいのものだけれど)

 なのにどうしてこの地を去ることなどできようか!
 ならば(会社を後ろ足で蹴飛ばして)引っ越したそのあとも、何度となく、何度でも、再びやってこようではないか。なんならチャリで来ようではないか(死ぬ)。

 いくつになろうが妥協なんかしたくない。そしてできる限りしない。
 もちろん。もちろん。

 キーボードがなければ、文書を書くことが(僕には)できないから、キーボードは妥協した。
 愛するMacPro(’08)は、内臓をキメラにしてまで永らえさせているが、もはや最新のOSをインストールすることもかなわない。
 Cubeの頃もそうだったから、僕は何とも思わない。
 充分な速度で稼働するし、4つのマルチモニタを展開しているわけでもないから、発熱も少ない。
 動画を見ながら辞書を引きながら文書を書きながらCGを作る作業には向かない状況だけれど、なぁに、問題などあろうものか。

>>>

 そのようなわけで僕はいずれ、この街を去るだろう。
 そして酒だけは、この過疎化した県庁所在地の中心街まで呑みにやってくるだろう。

 どこに行こうが何をしようが、自分を見失わなければそれでいい。
 それだけあれば、なんだってできるし、なんだって手に入るだろう。
 少なくとも、自分のありたい自分であることはできるし、自分の本当に欲しい物だけは見失わずにいられるだろう。

 驚天動地のつづきとして、呆れる人もいれば感心する人もいる。
 そんなものは見慣れて飽きるほどだ。

 自分の選択のひとつひとつ。
 ぼくにみえるものひとつひとつ。
 自分の思想のひとつひとつ。
 ぼくのおもうことひとつひとつ。
 自分の道具のひとつひとつ。
 ぼくのすることのひとつひとつ。
 自分の体躯のひとつひとつ。
 ぼくのつかうものひとつひとつ。

 いったい他人に説明して何になる。
 他人の理解や同情や納得を求めた先に何が手に入る。何が残る。

 足跡さえも掴ませないほどの速さで走るだろう。
 視界から消えるほどの軽さで跳ぶだろう。
 暗闇の中でも獲物を捕らえるだろう。
 気が付かれるよりも早くに息絶えるだろう。
 彼らに。
 僕は。

>>>

 すべてのものが囲い込んでくるだろう。
「サポートは終了しました」だの、
「接続されたデバイスはサポートされておりません」だの、
「バッテリの交換はできません」だの、
「ドライバのリリースは終了しています」だの、
「あなたのような目茶苦茶なオトコにはついていけない」だの、
「キミの考え方は間違っている」だの、
「オマエはこの組織の中で浮いてるぞ」だの、
「貴方のやり方では無理だ」だのと突きつけて。

 オーケー。
 時には持ちうる物を捨ててでも逃げ道を探そう。
 時には持ちうるすべてを捨ててでも自分を逃がす道を探そう。

 囲いの中で死にながらメェメェ啼いて生きるくらいなら、逃げまわってのたうち回って血を流して死ぬさ。

 とりあえず誤打鍵ばかりする新しいキーボードに慣れなくてはならない(おいまだそこか)。
 早く。
 僕は。













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