■思い出

昔々、あるところに、高機能自閉症(ASD)の子がいました。

塾の先生のちょっとした叱責により塾に通えなくなってしまい、そのうち学校にも通えなくなりました。

保護者ネットワーク経由で、私にご紹介いただいた次第です。


■繊細さ

問題の解き筋や理解力からは知能の高さが伺えましたが、ちょっとした言葉や物音に敏感である様子には生きにくいまでの繊細さを感じました。

思い出されるのは、「もっと強くならなきゃダメだ」としきりに話していたことです。

不登校の原因を、自身の弱さと捉えていたのです。


■大人になること

私は勉強の先生でして、それ以外のことを教える立場にありません。

ただ、その子のあまりの辛さを目の前にして、心の傷を癒してあげられなかったこと、折り合いの付け方を上手く伝えてあげられなかったことは、今でも心の中にしこりとして残っています。

同じ症状を抱える私には、痛みが分かるからです。

子どもたちに一体何を教えるべきなのか、私の中で、まだ答えは出ていません。


- 子供の頃は『大人になれば強くなれる』と思っていたが、大人になるというのは弱さを受け入れることだ。人は生きている限り弱いものだから -

マデレイン・レングル


C.O.D. Club