■危うさ

娘の大会が終わり、ようやく我が家は平常を取り戻しつつあります。

結果は喜ばしいものではありましたが、大きなイベントで悔しい負けを喫さなかったことは、今の娘にとっての危うさです。

原動力として悔しさが欠けていることは、大きなハンデだからです。



■原動力

大人の原動力として大きなウェイトを占めるのは、例えばお金かもしれません。

現代ではそれがなければ死んでしまうという意味で、強制的なモチベーションとなりえます。


では、子どもの原動力とは、何か。


lev.1   興味

対象に興味関心があることです。

周囲はそれを促すことは出来ても、強制することはできません。

全ての根幹でありながら、与えるのが最も難しいものです。


lev.2   獲得

単なる興味関心を超えて、それを我が身のものとして獲得したいと思うことが、学ぶことのスタートです。

先に得た興味関心が一定量を超えた時、子どもはそれらの習得にかかる労力を天秤にかけ始めます。


lev.3   評価

対象に関する自身の技量について、周囲の評価を得ること。

いわゆる、自己実現といったような高次の欲求が湧き上がる段階です。

「良い点が取りたい」「負けたくない」「勝ちたい」「合格したい」「優勝したい」

これらは全て、この段階にあります。



■財産

高次の原動力を得るには、低次の原動力が前提になければなりません。

また、高次は低次を犠牲にする場合があります。

好きで始めたピアノが、コンテストで競い合う内に嫌いになってしまう…

こんな話は、巷にあふれています。



「対象が嫌いではないこと。」

「何なら、ちょっと好きであること。」


これが子どもにとって大きな財産であることにお気づきになる方は、必ずしも多くはありません。

目先のテストの10点や20点と引き換えにできる価値ではないのです。



■バランス

原動力を得る適切な順を経たとして。

原動力の逆側にはいつも、乗り越えるべき困難があります。

払うべき対価があり、得る報酬があります。

辛いばかりで楽しみのない日常が繰り返されれば、子どものみならず、大人でさえ潰れてしまうでしょう。

何かに秀でた子は、その部分ばかりが目立ちますが、本当に着目すべきはその逆側とのバランスの取り方であり、全体感だろうと思います。




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